研究課題/領域番号 |
20K16825
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
窪田 光 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60824208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 放射線治療 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 免疫放射線治療 / エクソソーム / 細胞障害性T細胞 / T細胞 / PD-L1 / 免疫チェックポイント分子 / 免疫放射線療法 / PD-1 / 自己血 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫放射線治療による抗腫瘍効果は臨床的にも認識され、さらなる発展が期待される。我々はT細胞由来エクソソームを用いて、免疫放射線治療の抗腫瘍効果を高めることが可能ではないかと考えた。T細胞膜上にはPD-1が発現し、放出されるエクソソーム膜には同様の分子が発現している。PD-1発現エクソソームが腫瘍のPD-L1に結合することにより、抗PD-L1抗体と同様の効果が期待できる。同エクソソームには複数の免疫チェックポイント分子が発現し、複数のシグナルを同時に阻害可能となる。自己血由来T細胞から放出されるエクソソームを用いた免疫チェックポイント阻害により、個別化された免疫放射線治療が可能となる。
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研究成果の概要 |
我々は生体からのエクソソーム単離方法を確立した。次に、マウスの脾臓からCD8陽性T細胞を単離し、培養上清においてエクソソームマーカーであるCD9が発現している事を確認した。また、CD8陽性T細胞由来エクソソームを抽出し、PD-1が発現している事を確認した。PD-1を発現した自己エクソソームを投与することで、同一個体から単離したPD-1/PD-L1の親和性を考えると、通常の免疫チェックポイント阻害剤より効果的である可能性がある。最後に、CD8陽性T細胞由来エクソソームにおいてはCD47が発現していることを確認した。CD47発現により、投与時にマクロファージによる貪食を回避できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は自己血T細胞由来エクソソームを用いた新規免疫放射線治療戦略を前進させるものである。我々はCD8陽性T細胞から放出されるエクソソームを抽出し、その膜上にPD-1が発現している事を確認した。CD8陽性T細胞由来のエクソソーム膜解析の中で、CD47発現が確認された。CD47は所謂「don’t eat me signal」である。通常であればエクソソームは網内系で貪食されるが、それを回避することが可能であることを示唆している。自己血T細胞由来のエクソソームが免疫チェックポイント阻害剤を代替できることを示すことができれば、その社会的意義は計り知れない。
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