研究課題/領域番号 |
20K16836
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坂口 雅州 日本大学, 医学部, 准教授 (70599349)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 前立腺癌 / ポリアミド / Ku80 / 腫瘍免疫 / 放射線感受性 / 放射線増感剤 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌の放射線治療後に癌細胞が形質変化し治療に難渋することがある。効率の良い放射線治療には放射線増感剤の併用が期待されるが、体内での安定性や細胞毒性などから治療法として確立されているとは言えない。前立腺癌の放射線感受性に役割を示す遺伝子としてKu80が既に報告されている。また、我々の施設ではDNA配列特異的に結合するポリアミドの作製実績が複数ある。そこで、本研究ではKu80のプロモーター領域に存在するSp1結合配列特異的ポリアミドを設計、前立腺癌細胞におけるKu80発現への影響ならびに放射線感受性を明確にし、将来有望な放射線増感剤を開発する。
|
研究成果の概要 |
前立腺癌の治療成績を向上させるために、新規放射線増感剤を作製する研究を行った。放射線抵抗性に関与するKu80を標的としたPIポリアミドを作製したが、合成が困難であった。複数の抗癌剤結合ポリアミドを腫瘍細胞に投与し放射線照射を行ったが、腫瘍抑制効果に有意差は示されなかった。前立腺癌に対してポリアミドの治療上乗せ効果を期待するには、標的遺伝子を再設定した放射線増感剤の研究が優先されると考えられた。日常臨床やin vivoでは放射線照射による低線量域の広がりが、よりリンパ球減少に影響している結果を得ている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺癌の抑制に関与するKu80を標的とするポリアミドの作製は困難であった。抗癌剤結合ポリアミドによる腫瘍抑制は有意な結果が得られず、放射線抵抗性に関与する標的遺伝子を再設定し、放射線増感作用を有するポリアミドを作製することが前立腺癌の治療成績向上に寄与すると推測される。また、放射線増感作用を有する新規ポリアミドを作製する研究過程では放射線照射が必須となるが、人体においては低線量の広がりがリンパ球数減少に影響していることが示されたことから、放射線照射が腫瘍免疫に与える影響を考慮した検討を行うことが、日常臨床で使用できるポリアミド開発には重要であることが示唆された。
|