研究課題/領域番号 |
20K16838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
今泉 大将 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90848160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 放射線治療 / がん転移 / 核膜タンパク質 / LINC複合体 / LINC complex / SUN1 |
研究開始時の研究の概要 |
X線治療にはX線誘発性のがん転移を引き起こすという課題があり、細胞レベルにおいても同様に、X線照射によりがん転移に関連する細胞運動が亢進する現象が起きる。そこで、なぜX線を照射した際に細胞運動が亢進するのかということは学術的に明らかにしなくてはならない。本研究では、がん転移の要因となる細胞運動に関連がある、細胞核と細胞骨格を結合するタンパク質であるLINC複合体構成因子SUNを例にとり、放射線誘発性の細胞運動に関わる細胞極性や小胞体ストレスに関する分子メカニズムの解明を目指す。本研究により放射線誘発性のがん転移亢進メカニズムが明らかとなれば、がん転移抑制を修飾した放射線治療を提案できる。
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研究成果の概要 |
本研究課題ではがん転移の要因となる放射線誘発性の細胞運動に関する細胞極性や小胞体ストレスといった細胞内反応にLINC複合体構成因子SUN1が関係しているか否かを検討した。その結果、SUN1が先導端におけるX線誘発性の細胞極性に必要であること、またX線によって引き起こされる小胞体ストレス応答に必要であることが明らかとなった。さらにSUN1を詳細に解析すると、特にSUN1_888がそれらの反応に必要とされることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療においてX線治療は広く利用され、良好な局所制御が可能になっている。しかしながら、X線照射によりがん転移に関連する細胞運動が亢進する現象はよく知られており、近年ではX線治療によりがん転移が誘発される可能性も報告されている。本研究課題においてLINC複合体が細胞運動に対して果たす機能の解明に取り組んだ。LINC複合体の詳細な機能を明らかにすることで、LINC複合体を利用したがん転移抑制を組み入れた放射線治療法の開発やがん転移リスク評価法の確立等が期待される。
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