研究課題/領域番号 |
20K16848
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宇田川 智宏 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30623392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 蛋白尿 / WT1 / ネフローゼ症候群 / モデルマウス / ポドサイト / 足突起 / mRNA発現 / 微小変化型ネフローゼ症候群 |
研究開始時の研究の概要 |
原尿生成において蛋白の濾過障壁を担うポドサイトの微細な二次突起形成制御機構は不明な点が多い。この分子制御機構を明らかにすることは困難であるが、小児の微小変化型ネフローゼ症候群(NS)では、ポドサイト二次突起の可逆的障害の修復過程が観察される。近年抗ヒトUCHL1抗体の投与により誘導する微小変化型NSモデルマウスの報告なされた。そこで本研究ではポドサイト特異的に蛍光色素を発現するWT1-eGFP/mCherry(WT1-RG)マウスに抗UCHL1抗体誘導による足突起障害を起こした後、ポドサイトをFACSで単離して二次突起修復過程に関与する遺伝子発現の解析する。
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研究成果の概要 |
微小変化型ネフローゼ症候群では、腎ポドサイト(Pd)の足突起構造は可逆的に形態変化する。本研究では、Pd特異的転写因子WT1にEGFP-mCherryを発現するマウスで薬剤誘導したPd障害とその回復過程の遺伝子解析により形態制御機構解明を目指したが、コロナ禍に直面しマウス繁殖・実験が遅れ、漸く繁殖に成功した2022年度の途中で代表者が研究機関から異動、未達に終わった。 一方、巣状分節性硬化症で期腎不全の患者でWT1のZinc finger domainの変異を発見した。腎切片染色でWT1とPd蛋白発現が低下し、変異WT1を培養細胞に強制発現すると下流遺伝子発現は低下した。病態の一端が判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蛋白尿は末期腎不全のリスク要因である。蛋白尿が生じる病態解明を解明し、新規治療標的を明らかにすることは人類にとって有意義である。我々は蛋白尿モデルマウスと患者変異を用いてその病態発症機序の解明を目指した。巣状分節性糸球体硬化症患者で新たに見つかったZinc finger領域の変異のついて解析した所、変異WT1は細胞内局在の変化と下流蛋白遺伝子の発現低下と局在変化をもたらすと判明した。ポドサイトのWT1制御機構の一端が明らかとなり、今後末期腎臓病へと進展するこの病態の詳細な検討から、ポドサイトを修復するような機序や薬剤の開発の礎となる可能性がある。
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