研究課題/領域番号 |
20K16859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
清水 紀之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70755470)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 心理的ストレス / 父親 / 次世代 / 情動機能 / グルココルチコイド / マウス / 情動行動 / 脳機能 / コルチコステロン |
研究開始時の研究の概要 |
日本での不安障害・うつ病をはじめとする精神疾患の患者数は年々増加しており、その防止策が社会的に求められている。本研究では、交配前までに父親マウスが受けた継続的なストレスが、エピジェネティクスな制御機構にもとづき、どのような作用機序を介して次世代仔マウスの脳機能に影響を及ぼすかを明らかとし、将来に起こりうる情動行動の異常に対する対処法を探索する。本研究成果より、父親が次世代の脳機能発達に果たす新たな役割と重要性を見出し、ヒトの精神疾患に対して治療ではなく予防の視点から貢献できる可能性を提示する。
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研究成果の概要 |
本研究では、心理的ストレスを継続的に受けた父親マウスに由来する次世代仔マウスでみられた情動行動異常(不安・うつ様行動、嫌悪刺激に対する極端な回避行動、社会性行動の低下)が、どのような作用機序に基づき惹起されているかを調べた。研究成果より、心理的ストレス負荷期間においてグルココルチコイド受容体拮抗剤を投与することで、次世代仔マウスの情動行動異常を回避できた。一方で、グルココルチコイド受容体作動薬を投与することで、心理的ストレスに由来した次世代マウスと同様な情動行動異常がみられた。これらの成果は、次世代の情動行動機能の構築が父親側のグルココルチコイド系の影響を受ける可能性を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安障害・うつ病をはじめとする精神疾患の患者数は増加しており、予防策の構築が求められている。精神疾患は、遺伝的背景や環境因子が複雑に関連しており、その作用機序は未だ明らかではない。本研究では、父親が受ける継続的なストレスが、エピジェネティクスな制御機構に基づき、どのような作用機序を介して次世代の情動機能に影響を及ぼすかを明らかとする。本研究成果は、父親が次世代の情動機能構築に果たす新たな役割と重要性を見出せるものであり、ヒトの精神疾患に対して予防の視点から貢献できる可能性を提示できるものと考えられる。
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