研究課題/領域番号 |
20K16869
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 紀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50526176)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | CD99 / CAR / iPS細胞 / T細胞分化 / 小児悪性固形腫瘍 / T細胞 / 分化誘導効率 / CD99ノックダウンiPS細胞 / CAR立体構造 / CAR-T療法 / ヒトiPS細胞 / 抗CD99CAR / 小児腫瘍 / リンパ球分化 |
研究開始時の研究の概要 |
キメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor:CAR)-T療法は、腫瘍を認識する人工的受容体をT細胞に発現させ腫瘍を攻撃させるがん免疫療法である。造血器腫瘍では、難治性患者に完全寛解を来しうる画期的療法として開発が進む一方で、固形腫瘍に対するCAR-T療法は、世界的に未だ研究段階である。 本研究では、小児悪性固形腫瘍の約3割に発現するCD99を標的としたCAR-T療法の開発を行う。T細胞だけでなくヒトiPS細胞にCARを導入する。iPS細胞は、無限に近い増殖能を有し遺伝子操作性に優れることから、予め抗CD99CARを導入し、その後、T細胞へ分化誘導し抗腫瘍能を解析する。
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研究成果の概要 |
小児の悪性固形腫瘍に発現するCD99を標的として、遺伝子操作性に優れるヒトiPS細胞をプラットフォームとする新規CAR-T療法の研究システムを作ることを目的とした。当研究室で予め作製した抗CD99CARを、ドナー血T細胞より樹立したヒトiPS細胞へ導入、iPS細胞をT細胞へ分化誘導した。誘導後、CD99の強発現が見られた為、CD99をノックダウンし分化誘導を行ったが、分化効率が低下し、抑えたはずのCD99の発現が徐々に出現した。更に、研究過程で、抗CD99CARのCD99への親和性が確認できず、立体構造に問題が生じていることが判明した。構造を変えて改良を試みたが、改善することは困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
昨今のがん免疫療法の隆盛は、免疫チェックポイント阻害薬ならびにCAR-T療法の成功に拠るところが大きい。本研究は、CD99を標的とする今までにないCAR-T療法の開発を最終目標として、そのための実験システムを構築することを目的とした。CD99は小児の悪性固形腫瘍の3割程度に発現がみられる膜糖蛋白であり、標的分子として相応しいものと考えたが、当研究室で作製した抗CD99CARは、立体構造の問題点を克服することが出来ず、目的とした実験システムの構築に至ることは出来なかった。
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