研究課題/領域番号 |
20K16874
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
酒井 愛子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (40592184)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ワクチン / 免疫 / 抗体価 / 個人差 / HLA / 抗原結合領域 / 遺伝子多型 / 麻疹風疹 / ワクチン反応性 / 遺伝要因 / B型肝炎 / 麻疹 / 風疹 / 免疫応答 / ワクチン免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、麻疹は輸入症例を起点に、風疹は中年男性を中心に流行が広がっており対策が急務とされている。特にワクチン接種歴があるにも関わらず感染する例がみられ、ワクチンに対する免疫応答の個人差も寄与していると推測される。 本研究では、日本人健康若年成人における麻疹風疹ワクチン反応性の個人差の実態と、個人差に寄与する遺伝要因を明らかにする。さらに、同定された遺伝要因と先行研究で同定したB型肝炎ワクチン反応性を規定する遺伝要因を比較する。 ワクチン特異的・非特異的にワクチン反応性を規定する要因を同定し、その免疫学的機序が明らかになることで、よりよいワクチン開発や、ワクチン戦略に役立つ知見を得る。
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研究成果の概要 |
本研究では、先行研究でB型肝炎ワクチン反応性と関連するHLA多型を検討した集団で、さらに麻疹・風疹ワクチン抗体価と関連するHLA多型を同定し、意義について検討した。 B型肝炎、麻疹、風疹それぞれで異なるHLA多型が同定された。また、複数のHLA型が各々の獲得抗体価について反対の効果を示した。B型肝炎ワクチン反応性と関連し、HLA分子の発現量と関連するHLA-DP領域のSNPsは、麻疹・風疹ワクチンでは有意な関連を示さなかった。これらのことから、HLA分子の発現量ではなく、抗原結合領域の立体構造と各々のワクチン抗原との結合性がワクチン反応性の個人差に重要な役割を果たしていると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
【学術的意義】ワクチン反応性の個人差にHLA多型が関連することが報告されているが、その詳細な機序は未解明である。本研究は、異なるワクチン種に対するワクチン反応性の違いとHLA多型を比較検討することで、この機序について検討した。 【社会的意義】麻疹・風疹は、ワクチン接種で十分な抗体獲得が得られれば感染防御が可能であるが、ワクチン反応性には個人差がある。個人差に寄与する要因やメカニズムを明らかにすることで、よりよいワクチン開発や、non responder対策を通じて麻疹・風疹の感染から社会を防御することにつながる。
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