研究課題/領域番号 |
20K16875
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 宮崎大学 (2021-2022) 東京都立小児総合医療センター(臨床研究部) (2020) |
研究代表者 |
青木 良則 宮崎大学, 医学部, 助教 (70726629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新生児低酸素性虚血性脳症 / 新生児仮死 / LOX-1 / ミクログリア |
研究開始時の研究の概要 |
新生児低酸素性虚血性脳症は重篤な後遺症につながる予後不良な疾患であるが、十分な有効性が示された治療法はない。Lectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1(LOX-1)は、新生児低酸素性虚血性脳症において病態に関わっており、ミクログリアで発現が上昇する。 本研究では、ラット幼若脳由来のミクログリアを用いて、細胞実験の低酸素虚血負荷モデルを作成する。このモデルにより、LOX-1のミクログリアにおける役割を解析するとともに、ミクログリアでのLOX-1シグナル伝達系を阻害する化合物をスクリーニングし、新規治療法の開発の基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
新生児低酸素性虚血性脳症におけるLectin-like oxidized low-density lipoprotein receptor-1(LOX-1)の役割について、ラットミクログリア初代培養細胞を用いて検討した。低酸素虚血下のミクログリアでLOX-1の発現が亢進し、炎症性メディエーターの産生と関連することを明らかにした。さらにLOX-1の発現亢進は、p38-MAPK、NF-κBの活性化を介して炎症性メディエーターの産生と関連していた。これらの分子はLOX-1シグナル伝達経路にあり、その抑制はミクログリアの傷害性の分子発現様式を変化させ、炎症性メディエーターの産生を抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新生児低酸素性虚血性脳症は先進国において1000出生あたり1-8の発生率であり、重篤な後遺症につながる予後不良な疾患である。低体温療法などすでに臨床に導入されている治療法があるものの、いまだに治療効果としては不十分であり、有効な治療法の開発が望まれている。 本研究成果からv、LOX-1とそのシグナル伝達経路は新生児低酸素性虚血性脳症に対する新しい治療法開発のターゲットとなることが再確認された。さらに、本研究の細胞モデルは今後の新規治療法開発に役立つものであり、本研究ではそのような有用な実験系の確立、および新規治療法開発につながる重要な知見を発見することができた。
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