研究課題/領域番号 |
20K16899
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
坂田 飛鳥 奈良県立医科大学, 医学部, 助教(共同研究講座) (90528457)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 溶血性尿毒症症候群 / インビボイメージング / エクスビボイメージング / 血栓 / 病態モデル / 赤血球による血栓制御 / vWF / フィブリン / 血栓形成 / グリコカリックス / 赤血球 |
研究開始時の研究の概要 |
血栓の硬さと大きさを規定する仕組みとして血管内皮上のグリコカリックスによる血小板活性化調節・凝固線溶調節と赤血球による血栓の物理的破砕を考え、溶血性尿毒症症候群ではこれが破綻していると仮説を立てた。この仮説の証明のため、生体内のグリコカリックス・凝固線溶・血球細胞をリアルタイムに観察出来るインビボイメージング手法を用いて溶血性尿毒症症候群モデルマウスで実際に血栓が形成され、溶血が起こる様子を確認する。インビトロ実験で病態を再現するとともにグリコカリックスを保護する薬剤で病態が改善するかを確認し、グリコカリックスを標的とした新たな溶血性尿毒症症候群治療の可能性を探る。
|
研究成果の概要 |
生体内で形成される血栓の観察手法と生体外に構築した障害血管を模倣したマイクロ流路系で形成される血栓のリアルタイム観察手法を構築した。これら観察手法を用いて溶血性尿毒症症候群における血栓形成の極初期には血栓形成に凝固が関与する可能性があることを見出した。また赤血球には血小板血栓、凝固血栓双方のサイズを抑制的に調整する役割があることを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した生体内および障害血管のモデル流路における血栓形成の評価方法は種々の血栓性あるいは止血異常病態の基礎的研究に応用が可能である。 溶血性尿毒症症候群は血小板を主体とした血栓が形成される疾患であることが知られているが、本研究ではその初期に凝固によるフィブリン形成が起きている可能性が示唆された。本疾患においてどのように血栓が形成されるかを明らかとすることができれば新たな治療標的を見出すことが可能となり、患者予後改善につながる可能性がある。赤血球による血栓制御機構は溶血性尿毒症症候群の血栓形成と溶血病態だけでなく、多血症での血栓傾向など他の疾患の解析・治療法開発にも応用できる可能性がある。
|