研究課題/領域番号 |
20K16928
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
武口 真広 大分大学, 医学部, 医員 (10457632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 心室再分極 / Tpeak-end/QT / 致死性不整脈 / 学校心臓検診 / 小児急性リンパ芽急性白血病 / 小児急性リンパ芽球性白血病 / Tpeak-end / 小児がん / 抗腫瘍薬 / 心電図 |
研究開始時の研究の概要 |
小児期、若年成人(AYA世代)のがんは治療成績が向上し、近年は長期生存中の治療合併症によるQOL低下、中でも心毒性はOnco-Cardiologyとして注目されている。そして、近年、致死性不整脈の指標として心電図の心室再分極指標が提唱されている。この指標が心毒性としての不整脈の指標となる可能性があるが、本邦小児の基準値がなく、まず学童心臓検診の心電図から小児の基準値を検討し報告する。そして、当科で治療したALL患者60人の心電図を解析し、さらに小児白血病研究会(JACLS)の多施設共同研究を行い、簡便性の高い心電図における抗腫瘍薬による不整脈の指標を抽出し、臨床応用を目指す。
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研究成果の概要 |
日本人健常小児の心電図における致死性不整脈の予測因子である心室再分極指標(Tpeak-endやTpeakend/QT)の基準値を、学校心臓検診の心電図から測定し報告した。特にTpeak-end/QTは年齢や性別によらず一定であることを確認した。そして、アドリアマイシン等の抗がん化学療法による心筋障害の晩期合併症が問題となる急性リンパ芽急性白血病の小児患者を対象として、大分大学医学部小児科で小児白血病研究会JACLSのALL-02プロトコールで抗がん化学療法を施行された17名を対象として同指標を検討し、3名で急性期にTpeak-end/QTが上昇していることを確認し報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
まず、日本人小児の心室性不整脈の予測因子としての心室再分極指標(Tpeak-end、Tpeak-end/QT)の基準値の報告は世界初である。そして、Tpeak-end/QTが年齢、性別によらない良い指標であることを確認した。疾患への臨床応用としては、小児急性リンパ芽急性白血病患者ではアドリアマイシン等の抗がん化学療法によって心筋障害を呈し、致死性不整脈のリスクが急性期に一過性に高くなっている可能性が示唆された。よって、白血病を含めた小児がん経験者における同指標による合併症の検討が今後の疾患フォローアップや治療プロトコールの検証に有用である可能性が考えられ、さらなる大多数の検討が望まれる。
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