研究課題/領域番号 |
20K16934
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
青山 幸平 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40812095)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SLC26A7 / 先天性甲状腺機能低下症 / ヨードトランスポーター / SLC26A4 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちは甲状腺ホルモン合成障害の家系に新規ヨードトランスポーターのSLC26A7遺伝子の異常を同定し、その異常が先天性甲状腺機能低下症の原因となることを証明した。ヨードトランスポーターは複数あり、その相互関係や制御機構を明らかにするため、CRISPR-Cas9によるノックアウトマウスを用いて、異なるヨード食餌環境下で甲状腺機能や甲状腺ホルモン合成に関連する遺伝子発現を調べる。また、SLC26A7遺伝子異常の新規患者の探索を進め、多様な甲状腺異常を呈するSLC26A7遺伝子異常の臨床像の全容把握を目指すとともに、病態理解を深め、診断・治療・予防の戦略を構築する。
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研究実績の概要 |
私たちは甲状腺ホルモン合成障害の家系解析でこれまで疾患と報告の無かったSLC26A7遺伝子のホモ接合性変異の同定を契機に、SLC26A7が新規ヨードトランスポーターであり、先天性甲状腺機能低下症の新規原因遺伝子であることを証明してきた。 ヨードは甲状腺ホルモンの原料として生体内では甲状腺組織のみで必要とされるが、ヨードの甲状腺内への輸送メカニズムはいまだ十分に解明されておらず、私たちが研究を進めているSLC26A7のヨードトランスポーターとしての機能評価が、ヨード動態の解明に繋がると期待できる。 私たちはSLC26A4とSLC26A7のヨードトランスポーターの相補的関係を調べる目的で、CRISPER-Cas9を用いてSlc26a4、Slc26a7の各々のノックアウト(KO)マウスを作製した。Slc26a7ノックアウトマウスではヒトにおけるSLCC26A7遺伝子異常の表現型と同じく、著明な甲状腺腫大を認めた。野生型マウスの甲状腺ではSlc26a7が高い遺伝子発現量を示し、Slc26a4KOマウスや野生型マウスと比較して、Slc26a7KOマウスで体重増加がより不良となり、両者のダブルKOマウスではさらにそれが顕著であることを確認した。少なくともマウスにおいては、甲状腺におけるヨードトランスポーターは、Slc26a4ではなく、Slc26a7が主役となることを突き止めた。 今後は、別のヨードトランスポーターであるSLC5A5のKOマウスも含め、ヨード環境を変えながら、複数のヨードトランスポーターの相補的な関係について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SLC26A7とSLC26A4のノックアウトマウスからダブルノックアウトマウスの作製に予定より時間が必要であったが、概ね順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
Slc26a4、Slc26a7、Slc5a5の各ノックアウトマウスを様々なヨード環境下で、甲状腺機能やmRNA発現量の変化を評価する。また、SLC26A7遺伝子異常の罹患者の変異を挿入したSlc26a7ノックインマウスによる同様の実験も進める予定である。
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