研究課題/領域番号 |
20K16945
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所) |
研究代表者 |
村上 博昭 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医師 (30836440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 均衡型染色体構造異常 / 切断点解析 / ロングリードシークエンサー / 先天異常症 / 染色体構造異常 / TAD / ロングリードシークエンス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、マイクロアレイ染色体検査や次世代シークエンサーなどの遺伝学的検査手法の進歩により、先天性疾患の診断が可能になってきている。しかし診断率は50%には至らないのが現状であり、未診断のままの患者や家族が多く残っている。近年、染色体の均衡型(量の増減を伴わない)構造変化と先天異常との関連が特に示唆されてきている。均衡型染色体構造異常は、マイクロアレイでも次世代シークエンサーでも解析が困難であり未解決の症例が多い。本研究は、均衡型染色体構造異常について、ロングリードシークエンサーを利用した切断点の解析を行うことで、診断率の向上を目指すことを目的としている。
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研究成果の概要 |
遺伝情報の欠失や重複を伴わない均衡型染色体構造異常では、切断点が疾患に関連する遺伝子を直接もしくは間接的に破壊することが疾患の原因となると考えられる。しかし、既存の遺伝学的解析方法では、切断点を詳細に解析することが困難であるため、未診断症例が多数存在する。本研究は、ロングリードシークエンサーによる均衡型構造異常の解析の臨床的有用性を評価することを目的とした。計4例の症例について解析を行い、うち3例で詳細な切断点を同定し、先天異常の遺伝学的原因を同定することができた。均衡型染色体構造異常の遺伝学的解析に、ロングリードシークエンサーが非常に有用であることを示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、4例の均衡型染色体構造異常を有する先天異常症例について、ロングリードシークエンサーによる切断点解析を行った。うち3例で詳細な切断点を同定し、先天異常の原因と考えられる遺伝学的な要因を同定できた。今後、同手法が未診断症例の診断率向上に寄与する可能性が非常に高く、社会的な意義は大きいと考えられた。また、切断点が原因遺伝子を直接切断するのではなく、染色体高次構造を破壊することが疾患発症メカニズムとなる可能性も示唆され、学術的にも非常に興味深い結果が得られた。
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