研究課題/領域番号 |
20K16973
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
カン シン 東京慈恵会医科大学, 医学部, 研究補助員 (90706186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | PD-L1 / 腫瘍抗原 / 免疫逃避機構 / 膵臓がん / 蛋白質分解機構 / 転写因子 / 免疫逃避 |
研究開始時の研究の概要 |
われわれは膵臓がん細胞においてProgrammed cell death Ligand 1 (PD-L1)の発現とある腫瘍抗原Xの発現が逆相関していることを見いだした。そこで、われわれはPD-L1が腫瘍抗原Xの発現を制御していると考えた。本研究では、①PD-L1が抑制する腫瘍抗原X誘導転写因子を同定し、②PD-L1下流でその転写因子を制御するメカニズムを解析する。最終的に、PD-L1を発現する膵臓がん細胞が、腫瘍抗原X特異的な細胞傷害性T細胞から逃避する新規メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
多くのヒト膵臓がん細胞株とヒト膵臓がん腹水由来のがん細胞株に、免疫抑制分子(PD-L1)の発現と腫瘍抗原Xの発現に逆相関がみられることを見出した。そこで、本研究は、PD-L1の下流で腫瘍抗原Xの発現を制御する機序を明らかにすることを目的とした。その結果、高発現させたPD-L1の下流で、ユビキチン・プロテアソーム系が腫瘍抗原Xの蛋白質の分解を促進することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、PD-L1の高発現により、ユビキチン・プロテアソーム系が活性化し、腫瘍抗原Xの蛋白質の分解を促進することを明らかにした。今後、腫瘍抗原特異的T細胞に対する抗腫瘍効果の影響を検討する。これらの解析により、既存の免疫逃避機構「PD-L1とPD-1を介した抗腫瘍免疫細胞に対する免疫抑制」に加え、「PD-L1を高発現したがん細胞が腫瘍抗原Xの蛋白質分解を促進し、抗腫瘍免疫から逃避する」という、新たな知見を得ることができる。
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