研究課題/領域番号 |
20K16976
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
増田 篤高 久留米大学, 医学部, 助教 (40647872)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / 血管内皮前駆細胞 / 肝硬変 / 肝再生 / 抗線維化 / 抗炎症 / 細胞移植療法 / 酸化ストレス / 自然免疫 / 細胞移植 / バイオドラッグデリバリーシステム |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に伴う肝硬変症例は今後増加することが予想されてい るが、未だ有効な治療薬はない。現在、NASHモデルマウスに対するCD34陽性細胞移植療法の有効性を検証中であるが、その効果は限定的であり、CD34陽性細胞移植のみではNASHの病勢制御は困難と想定している。本研究ではCD34陽性細胞が他の細胞に比べ“効率よく肝臓に生着し”、“長期間肝臓に留まる”ことを証明し、また、生体内で徐々に薬剤を放出するPLGAナノ粒子をCD34陽性細胞に合成することで、効率よく薬剤を肝臓へ届け、副作用の少ない、革新的バイオドラッグデリバリーシステムを創出する。
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研究成果の概要 |
血管内皮前駆細胞(EPC)や間葉系幹細胞(MSC)は障害肝に遊走し、生着することが知られている。本研究では、EPC、脂肪由来MSC(AdMSC)、骨髄由来MSC(BmMSC)のNASHモデルマウス肝臓への生着率の評価を行い、EPCが最も生着率が高いことを明らかにした。またNASHモデルマウスにおいて、EPC移植が肝線維化を抑制し、トランスアミナーゼ値の改善、肝細胞死の抑制、肝細胞の増殖亢進、酸化ストレスの抑制効果があることを明らかにし、さらにトランスクリプトーム解析により、EPC移植はNASH病態により病的に活性化された自然免疫を調整することで、抗炎症作用を示したことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管内皮前駆細胞(EPC)、間葉系幹細胞(MSC)が障害部位に遊走し、生着することは知られていたが、生着率を算出し、比較することはなされていなかった。本研究においてNASHモデルマウスの肝臓へEPCが高率に生着することが明らかとなり、EPCが低分子化合物や核酸製剤のベクターになり得る可能性が示唆された。またEPC単独であってもNASH肝臓に対し抗線維化作用、抗炎症作用、肝再生促進作用を持つことを明らかにし、さらに病的に活性化された自然免疫を調整する作用を有することが示唆された。これらの知見はこれまでにないBDDS製剤の開発に有用であると考えられる。
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