研究課題/領域番号 |
20K16990
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
谷口 達哉 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任講師 (70518232)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肝トランスポーター / NASH / トランスポーター / 非アルコール性脂肪性肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多数例のヒトNASH肝組織を用いてタンパク抽出を行い、Western blot、LS-MS/MSを用いて肝トランスポーターの発現量や翻訳後修飾機能変化について解析する。機能異常をきたす翻訳後修飾とその結合部位を同定した後、肝オルガノイドを用いて同環境を再現し、炎症・線維化が起こるかを評価する。さらに、ヌードマウスに肝オルガノイドを同所移植し、NASH、肝硬変へ進展するかを検討する。
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研究成果の概要 |
アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者の肝トランスポーターの発現変化や機能異常を明らかにすることにより、NASHの原因を解明し、治療創薬につなげることを目的とする。NASH症例の血清と肝臓組織を30検体、非NASH症例の検体を30検体ずつ集積した。NASH症例は非NASH症例と比較し、肝トランスポーター(OATP1,OATP3,MRP2,MRP3,NTCP)はmRNAの発現量に差はないものの、タンパクの産生量においては、 NASH症例が有意に低下していることを確認した。細胞壁在トランスポーター蛋白を抽出したところ、NASH症例では非NASH症例と比較して減少していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NASH肝組織において細胞壁在肝トランスポーターの発現は健常組織と比較して優位に低下していた。このことから、細胞質内での翻訳後修飾の異常が、肝トランスポーターの細胞膜発現低下に関与していると考えられた。近年、胆汁酸をリガンドとするFXR(Farnesoid X receptor)アゴニストやTHR(Thyroid hormone βreceptor)アゴニストの臨床試験が行われている。これら胆汁酸と甲状腺ホルモンはOATPやNTCPによって肝細胞に取り込まれる。したがって、NASHにおける肝トランスポーターの機能変化が明らかになれば、これらNASH治療薬の効果予測が可能となることが期待される。
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