研究課題/領域番号 |
20K17012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
明杖 直樹 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (40836110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 食道扁平上皮癌 / 内視鏡治療後瘢痕 / 遺伝子変異 / 食道SCC / ESD後瘢痕部 / 背景粘膜 / 体細胞変異 / ゲノム異常 / 再生粘膜 / EsophaCap |
研究開始時の研究の概要 |
食道癌の遺伝子変異については多くの報告があり、さらに食道背景粘膜にも遺伝子変異が存在することも報告された。 本研究では、食道腫瘍治療後再生粘膜の遺伝子学的解析を行い、食道再生粘膜の遺伝子学的プロファイルを明らかにし、食道癌高リスク患者の治療やその後のサーベイランスに結び付けることを目指す。また、EsophaCapと呼ばれる、糸付きのカプセル化されたスポンジを使用し、内視鏡検査を行わずに低侵襲下で食道の細胞を採取し、病理学的、遺伝子学的解析により、癌の存在診断や発癌ポテンシャルを測ることを目指す。
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研究成果の概要 |
食道SCCに対して、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を施行した19症例のSCCと背景粘膜、3~12か月後のESD後瘢痕から組織を採取した。In houseで作成した食道癌関連69遺伝子を対象として体細胞変異を同定した。 SCCでは32遺伝子77変異、背景粘膜では34遺伝子133変異、瘢痕部では29遺伝子100変異を認めた。SCCでは14例20変異、背景粘膜では10例16変異、瘢痕部では11例7変異でoncogenicな変異が同定された。全変異に対するoncogenicな変異の割合は、瘢痕部で有意に低かった。 瘢痕部においては発癌リスクが軽減されている可能性も考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道扁平上皮癌は非常に致死率の高い癌である。飲酒や喫煙がリスクファクターとなり、リスクが高い患者では同時に多発したり、異時性に再発することがしばしばある。早期の食道扁平上皮癌に対しては内視鏡的切除が近年多く施行されているが、予防法は確立されていない。一度慢性炎症を起こしてしまった食道は発癌リスクが高いため、何年にもわたり内視鏡検査での経過観察が必要なる。そこで内視鏡切除の瘢痕部の遺伝子変異を調べることで、一度欠損し、再生してきた粘膜面では発癌リスクがやや減少することが本研究では示唆された。
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