研究課題
若手研究
肝細胞癌(HCC)において、lenvatinib耐性細胞の性質や,この細胞とがん幹細胞(CSCs)との関係性を検証した報告はこれまでに存在しない。そこで、本研究ではlenvatinib耐性細胞の性質やCSCsとの関係性をsorafenib耐性細胞と比較し、それぞれの耐性細胞の特異性と共通性を明らかにすることを目的として遂行される。この解明は、lenvatinib不応例を含むHCCに対する治療最適化や新規治療法開発に繋がる可能性がある。
研究期間を通した成果を以下に列挙する。①HCC細胞株に対してlenvatinib,sorafenibの耐性細胞を作成した。②耐性細胞におけるCSCs(CD133high/CD44high)の割合はsor耐性細胞とlen耐性細胞では異なる結果となり、耐性の性質が違なることが示唆された。③sor,len耐性細胞は親細胞と比較して優れた腫瘍形成能を有していたものの耐性細胞間では有意な差は認められなかった。④耐性細胞における遺伝子発現の変化を網羅解析し、耐性細胞に共通する候補遺伝子の耐性への影響をin vitroで検討した結果、候補遺伝子A,B,Cが協調して耐性に関与する可能性が示唆された。
HCCにおいてsorafenib耐性細胞とCSCsとの関連を報告した研究は数多く存在する一方で、lenvatinib耐性細胞の性質やCSCsとの関係性を検証した報告はこれまでに報告が少なかった。さらに、それぞれの薬剤の耐性細胞同士を比較検討した報告もなかったため本研究を実施した。実際、lenvatinib耐性細胞とsorafenib耐性細胞の性質やCSCsとの関係性には特異性と共通性があることが一部ではあるが明らかになった。この解明は、lenvatinib不応例を含むHCCに対する治療最適化や新規治療法開発に繋がることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
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