研究課題
若手研究
技術革新に伴い不整脈領域のアブレーション治療は、急激に進歩した。とりわけ高密度多点同時マッピングシステムの開発により、不整脈基質の解析がより迅速に正確に行われるようになった。しかしながら、局所の電位は周辺からのFar-field電位と、真の局所のNear-field電位の複合情報により規定され、それらは電極配置と興奮伝導の方向に応じて変化するため、自動的に局所の電位情報を獲得するには依然限界がある。本研究の目的は、Omnipolarカテーテルを用い、周辺のUnipolarの電位から、仮想Bipolar電位を算出し、周波数解析で真の局所電位を決定するいうアルゴリズムの有効性を証明することである。
通常局所の興奮のタイミングは、電位内のdV/dtで算出されるため、局所の電位高の影響を強く受ける。この場合、非常に小さな局所心筋の興奮がある場合、周辺の大きな筋肉の影響を受けたFar-field電位の中に埋没してしまう事がある。Omnipolar技術をを用いた新しいアルゴリズムでは、局所の電位の周波数を算出し、最も鋭い成分が生じるタイミングを局所のタイミングとして、判定しうる。これにより、正確なGapの評価や、興奮伝搬の描出が可能になると想定していたが、いずれもdv/dtに基づくActivation mapとpeak-frequencyに基づくactivation mapで有意な差はなかった。
電位高は、本領域において長く使用されてきたパラメータである。例えば、双極電位で心房電位<0.5mV、心室電位<1.5mVは異常低電位領域とされてきたが、これはかなり経験的に決めれられたにもかかわらず、長く臨床においても使用されている。しかしながら、peak-frequencyは電位高とは、正常値における分布も異なっており、同様の情報を表しているものではない。この新たな指標を相補的に使用することにより、複雑な不整脈の機序の解明に役立つ可能性がある。
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