研究課題
若手研究
心臓外科手術の進歩により、複雑心奇形を含む先天性心疾患の多くが成人期まで生存できるようになってきた。しかし、多くの患者は完全な根治には至らず、術後も合併症・遺残症・続発症を伴うことが少なくない。ファロー四徴症の初回心臓外科手術後遠隔期の合併症に対する、適切な手術タイミングについて、心臓MRI・心内電位検査・心筋生検を用いて検証を行う。より適切な再手術のタイミングを提唱することで成人ファロー四徴症患者の長期生存率の改善に寄与したい。
幼少期にFallot四徴症修復術を受けた成人患者からカテーテルを用いて右室心筋を採取し、病理学的に評価を行った。結果、右室心筋は中等度肥大しており、右室は中等度から高度に線維化していた。また、右室の線維化はCTやMRIで測定した細胞外容積分画という指標と相関していた。非侵襲的な画像評価でも侵襲的な右室心筋の評価と同等の情報が得られることが示唆された。さらに、無症状患者においてもこの右室心筋傷害は確認された。突然死予防には、非侵襲的な画像検査も含めた定期的な右室心筋傷害の評価が必要であり、治療介入の指標になると考えられた。
医学の進歩により以前は救命できなかったファロー四徴症患者の多くが若年成人まで生存できるようになった。しかし、無症状で社会的に自立している若年成人患者にも、突然死の危険性があり、解決が急務である。本研究により、無症候のうちから右室心筋傷害が進行していること、および非侵襲検査でも右室心筋傷害を評価できることが示された。外来での、定期的な右室心筋傷害評価の意義が明確となり、より適切なタイミングでの治療介入が予後改善に寄与できると期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件)
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