研究課題/領域番号 |
20K17107
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松原 巧 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (60824836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心臓マクロファージ / 脂肪酸 / 分化 / Gpr65 / Areg / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は近年増加傾向にある心不全に対する新たな治療標的を発見することを目的としている。これまで我々は心不全の代償機転において心臓マクロファージが重要な役割を担っており、その機能がアンフィレグリンを介していることを明らかにした。さらにGpr65がアンフィレグリンの発現に必要であることも見出した。アンフレグリンは分化成熟した心臓マクロファージに特異的に発現している遺伝子であるが、心臓マクロファージにおけるアンフィレグリンの発現に関与する転写因子は同定されていない。Gpr65とその下流に存在するシグナル分子および転写因子は今後の心不全治療の新たな標的になりうる可能性が期待される。
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研究成果の概要 |
心不全は予後不良な疾患で心臓のストレスに対する代償機転が働かなくなると生じる。我々の予備的知見としてこのストレス応答にアンフィレグリンが必須であることを明らかにしており、本研究ではアンフィレグリンを分化マーカーとして心臓マクロファージの分化機構について検討した。 本研究ではPla2g5によって心筋細胞の表面で産生された脂肪酸がGpr65を介して未分化マクロファージを心臓マクロファージに分化させることを明らかにした。不飽和脂肪酸は補充が容易な分子であり、簡便な方法で心不全治療の新たなアプローチになりうる可能性をもっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心不全治療の介入点として心臓マクロファージが重要であるという発想には新規性がある。 心臓マクロファージの分化についてはその他の組織マクロファージの分化機構に比較しても明らかになっていないことが多く、本研究で明らかになった心臓内の環境に存在する脂肪酸によって未分化マクロファージが分化するという現象は新規性が高い。 さらに脂肪酸は精製、投与が簡便な分子であり、投与も容易である。心不全に対する薬物療法は確立されたものだが未だ予後不良の疾患である。本研究の発見は治療の新たなアプローチになりうるもので社会的意義も高いと考える。
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