研究課題/領域番号 |
20K17155
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
池崎 裕昭 九州大学, 医学研究院, 准教授 (70838482)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | NAFLD / MASLD / 動脈硬化症 / リポ蛋白 / SNP / 非アルコール性脂肪肝 / 脂質代謝 / 遺伝子多型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、心筋梗塞や脳卒中などの原因となる動脈硬化に関わる、これまでに判明していない遺伝的素因を検討することです。 動脈硬化の原因として血圧やコレステロールの異常、糖尿病などが知られていますが、遺伝的素因についても検討がなされています。アルコールや肝炎ウイルスが原因でない、非アルコール性脂肪肝患者においても動脈硬化が進行することが知られており、非アルコール性脂肪肝にはいくつかの遺伝子が関わっています。 本研究では非アルコール性脂肪肝を発症していない一般住民の方を対象として、非アルコール性脂肪肝に関わる遺伝的素因と動脈硬化症やコレステロールの異常との関連について解析を行います。
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研究成果の概要 |
本研究では、非アルコール性脂肪肝/脂肪肝炎に関連する遺伝子が動脈硬化やコレステロールに与える影響について、5年間の前向き観察研究のデータを用いて解析した。高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症のない約1000人を対象とした解析では、NCAN遺伝子に変異があると、5年後の動脈硬化症新規発症のリスクが低いことが分かった。さらに、高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症のいずれかを有する約1500人を対象とした解析では、TM6SF2とGCKR遺伝子に変異があると、LDLコレステロールなどの動脈硬化に悪影響を与えるコレステロールが低い傾向であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人の死因やADL低下の原因として重要な心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の予防として、高血圧や糖尿病、脂質代謝異常の治療・予防が挙げられる。近年、非アルコール性脂肪肝/脂肪肝炎(NAFLD)が動脈硬化症のリスクとなることが注目されている。本研究ではNAFLD関連遺伝子と動脈硬化および脂質代謝異常との相関について、日本人の前向き観察研究のデータを用いて解析を行った。NAFLD関連遺伝子の中で、NCANの変異は動脈硬化に保護的、TM6SF2とGCKRの変異は脂質代謝異常に対して保護的であることが示された。今後はNAFLD関連遺伝子変異が動脈硬化性疾患に対して与える影響の検討が必要である。
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