研究課題
若手研究
本研究は、免疫チェックポイント阻害薬に対する耐性機序にMUC1(KL-6)が関わっているのではないかと仮説を立て、計画されたものである。新規に樹立させた肺癌細胞株におけるMUC1とPD-L1の発現状況を評価しつつ、MUC1の発現の増減によって、PD-1阻害薬に対する感受性が変化するかどうかを探索する。本研究によって、MUC1がPD-1阻害薬の耐性化に関わっていることが明らかとなると、PD-1阻害薬の治療効果を予測するバイオマーカーとなることや、MUC1を治療標的とすることによってPD-1阻害薬の耐性を克服することが可能となることが期待される。
肺癌患者の血清KL-6とPD-1抗体の治療効果は相関するものの、KL-6の数値とPD-L1の発現程度は相関関係にはなかった。また、KL-6の免疫組織学的染色の結果も治療効果と相関するようなデータは得られなかった。肺癌細胞株を用いて、KL-6の発現をsiRNAでノックダウンすることでPD-L1の発現に変化が起こるかどうかをフローサイトメトリーで評価したが、明確な変化を確認することはできなかった。ただ、フローサイトメトリーの結果のみでKL-6とPD-L1との関係を否定できるわけではなく、今後の追加実験が必要と考えられる。
免疫チェックポイント阻害薬が効かない肺癌患者の中に血清KL-6が高値のものがいることがわかっており、KL-6が治療標的となりえるかどうかを探索する研究である。PD-L1発現との関連に着目して研究を行ったが、現状ではその関与を明らかにすることはできなかった。
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