研究課題/領域番号 |
20K17193
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
加畑 宏樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (60528537)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ILC2 / 新規治療薬 / 気管支喘息 / 治療 / IL-33 / Drug repositioning / 制御 / 新規物質 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、既に臨床で用いられている薬剤の中から本来の薬効とは異なる作用を見つけ、別の疾患の治療薬としての適応を探索する既存薬スクリーニング(Drug repositioning, DR)研究が注目を集めている。本研究では、気管支喘息やアレルギー性疾患に関与する2型自然リンパ球を抑制する新しい物質を調査し、気管支喘息やアレルギー性疾患に対する治療候補物質の検討を行う。
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研究成果の概要 |
2型自然リンパ球(ILC2)に対して抑制効果を有する新規候補物質を同定するため、既存薬スクリーニングを行い、高脂血症に対して用いられているスタチン製剤及びToll like receptor 7(TLR7)に対するアゴニスト(R848)が同定された。これらの薬剤を自然免疫型喘息モデルマウスに投与したところ、喘息病態が有意に改善し、ヒトILC2における抑制効果や抑制機序について明らかにした。今後これらの薬剤がアレルギー性疾患や好酸球性疾患におけるILC2をターゲットとした新しい治療薬となることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2型自然リンパ球(ILC2)は様々なアレルギー性疾患や好酸球性疾患の病態に関与していることが示唆されているが、これまでILC2をターゲットとした薬剤は存在しなかった。特に、ILC2はステロイド治療に対して抵抗性を示すことから、ステロイド以外の新規治療薬が期待されていた。今回、我々はスタチンやTLR7アゴニストが、ILC2が関与する喘息病態を改善させることを世界で初めて明らかにした。これらの薬剤はすでに臨床開発が行われているため、今後すみやかにILC2をターゲットとした新規治療薬として臨床で用いられることが期待される。
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