研究課題/領域番号 |
20K17218
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
齋藤 淳 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (90836446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 糖鎖 / MET / HGF / 肺癌 / EGFR-TKI耐性 / N型糖鎖 / プロセシング / シグナル伝達 / 肺がん / EGFR-TKI |
研究開始時の研究の概要 |
・METの細胞外ドメインを用いてWestern Blotting法でMETシグナルの抑制作用を評価する。 ・全長METの糖鎖欠損変異体導入細胞を精製し上記同様にシグナルを評価する。 ・MET細胞外ドメインの糖鎖欠損変異体を精製し、そのMETシグナル抑制作用を評価する。 ・ヒト肺がん細胞株のMETをKnock Outし、MET糖鎖欠損変異体を導入し上記同様にMETシグナルを評価する。
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研究成果の概要 |
N型糖鎖合成阻害薬はMETのプロセシングと細胞表面への輸送を抑制した。METのN型糖鎖の11か所のうち5か所は糖鎖付加率が100%であり、いずれも複雑型糖鎖でありコアフコースやシアル酸が付加する傾向にあった。MET糖鎖欠損はMETのプロセシングを抑制し、METのSEMAドメインの糖鎖はシグナルを正に制御し、SEMAドメイン以外の糖鎖はシグナルを負に制御した。全ての糖鎖を欠損させるとHGF依存の細胞増殖は抑制され、また細胞表面のMET発現は完全には消失しないものの著明に減少したが、in vitro ではリガンドとの結合親和性に影響を与えなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
METの部位特異的な糖鎖構造解析や糖鎖欠損変異体を用いた糖鎖機能解析についての報告は本研究が初めてであり、糖鎖がMETの機能制御に関与していることが示唆された。 糖鎖がMETを制御する詳細な機序を解明することは、肺がんの主要治療薬であるEGFR-TKIの薬剤耐性に関与する重要な分子であるMETの機能を制御する新しい方法を確立するための手がかりとなる可能性がある。
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