研究課題/領域番号 |
20K17247
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
安田 圭子 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00836265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 膜性腎症 / 腎臓内科学 / 免疫寛容・自己免疫 / アレルギー・免疫関連疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、膜性腎症の動物モデルとしてはラットでのHeymann腎炎が用いられていたが、Heymann腎炎の原因抗原はヒト膜性腎症の原因ではなく、ヒト疾患の適切なモデルとは言い難い。そこで近年明らかになったヒト膜性腎症の原因抗原であるTHSD7Aに着目し、抗THSD7A抗体を基軸とする新規の膜性腎症マウスモデルを作製する。 新規に作製したマウスおよび抗体を用いて、 1)生体内でのTHSD7Aの機能解明 2)新規膜性腎症マウスモデルの確立と病態機序の解明 を行う。
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研究成果の概要 |
膜性腎症は長らく原因が不明で「特発性」と表現されてきたが、原因抗原としてPLA2RおよびTHSD7A、EXT1/EXT2、NELL-1、Semaphorin3B、HTRA1とこれまでに合わせて6つの原因抗原が報告され、自己免疫疾患であることが明らかになった。このうち、THSD7Aに着目し、研究代表者らが新規に作成したTHSD7A欠損マウスを用いて、抗体産生を誘導、さらに細胞移入の系を用いて、膜性腎症を惹起できることを確認した。この成果は、これまでに適切なマウスモデルがなかった膜性腎症において、病態解明の基盤構築に大きく寄与することが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
末期腎不全により、血液透析といった腎代替療法を要する患者は増加の一途をたどり、2020年末の日本透析学会の集計では慢性透析患者は33万6千人を超えている。透析療法の技術向上や、透析患者の死因となる心血管イベントの抑制としてCKD-MBD(Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder)という概念が確立され、透析導入後の生命予後が改善する一方で、透析導入を抑制、遅延する腎臓病の根本治療薬は依然としてない。今回、膜性腎症のマウスモデルを新規に確立した。病態を理解するための基盤構築を引き続き行い、病態の即した新規の治療法の開発を目指す。
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