研究課題/領域番号 |
20K17248
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 隼 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10846679)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Rubicon / オートファジー / 高リン / 腎毒性 / 老化 / サルコペニア / Klotho |
研究開始時の研究の概要 |
各種腎疾患ストレス下では、オートファジー経路は様々なメカニズムで変容しており、多くの場合、細胞が必要としているだけの基質の分解ができない。例えば慢性腎臓病の重要な合併症である高リン血症下では、腎尿細管オートファジーの要求性は高まるが、オートファジーの停滞とそれによる細胞傷害が誘発される。本研究ではこの知見を発展させ、Klothoノックアウトマウス(高リン血症をきたし、各臓器で老化が促進される)の諸臓器のオートファジー活性を評価する。各臓器でオートファジーの停滞が確認できれば、オートファジー抑制因子Rubiconのノックアウトにより、老化の進行緩和が認められるか否かを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、高リン血症による老化促進の病態として、筋肉に着目してマウス実験を行った。様々な実験モデル(高リン食の期間、片腎摘の有無など)を行うことで、高リン血症自体ではなく高リン負荷により生じる腎機能障害が、筋肉に影響している可能性が示唆された。さらに、高リン負荷による腎機能障害に影響するマグネシウムに着目し、片腎摘の上高リン低マグネシウム食を負荷すると、腎傷害が悪化すると共に筋力低下・筋重量減少を認めた。興味深いことに、高リン低マグネシウム食群の腎臓ではRubiconの発現が著増しており、腎臓のRubiconが高リン負荷による腎傷害・サルコペニアに関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会の超高齢化や生活習慣病の長期化に伴い、慢性腎臓病(CKD)患者数は依然増加し、医療的にも社会的にも問題となっている。CKDはサルコペニアと密接に関係しており、超高齢化社会である現在、CKD関連サルコペニアの対策は急務である。今回の研究で明らかとなった、高リン負荷によりサルコペニアが生じること、その原因として高リン負荷により生じる腎臓のRubiconが関与している可能性があることから、Rubiconを阻害することで高リン負荷による腎傷害・サルコペニアを改善させることができればその意義は極めて大きい。
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