研究課題/領域番号 |
20K17284
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
前田 和也 広島大学, 病院(医), 専門研究員 (60832540)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | peritoneal fibrosis / MLL-1 / H3K4me3 / p16 / 細胞老化 / 腹膜線維化 / ヒストン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストン修飾による腹膜中皮細胞の老化を介した腹膜線維化の機序を解明する。 細胞老化に関与するP16をターゲットとし、ヒストン修飾、中でもヒストンのメチル化を介したP16の転写活性の亢進によって腹膜中皮細胞の老化が進行し、腹膜線維化が進行すること、その特異的阻害薬によってP16 の発現を抑えることで腹膜線維化を改善できることを証明する。
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研究成果の概要 |
末期腎不全における腹膜透析は臨床的に優れた治療法であるが、腹膜線維化による腹膜機能の低下のため長期継続は困難である。透析液中のブドウ糖への暴露によってストレス誘導性の腹膜中皮細胞の老化を引き起こすことが腹膜線維化の一因となっている。すなわち、腹膜中皮細胞の保護によって線維化を予防できれば、腹膜透析の長期継続が期待できる。 本研究では、細胞老化に関与するP16を治療標的とし、ヒストンのメチル化によるP16の転写活性が亢進することで、腹膜中皮細胞の老化が誘導されて腹膜線維化が進行すること、その阻害によって腹膜線維化を抑制されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によってストレス誘導性の腹膜中皮細胞の老化を介した腹膜線維化の機序やその阻害薬によって腹膜線維化を抑制できることが明らかできた。今後将来的に臨床応用することで、これまでよりも腹膜透析の長期継続が可能になること、ひいては更なる普及率の向上に寄与することが期待される。腹膜透析の長期継続によって、患者のQuality of Lifeの維持が期待されるだけではなく、今後さらに高齢社会が進む中で、在宅療法を推進する社会的なニーズに応えるものと思われる。
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