研究課題/領域番号 |
20K17292
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
牧田 侑子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (20838487)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | IgA腎症 / 糖鎖異常IgA1 / 補体 / 免疫複合体 / 補体第二経路 / レクチン経路 / 内皮細胞障害 |
研究開始時の研究の概要 |
IgA腎症はIgAと補体C3の顆粒状沈着を特徴とする原発性糸球体腎炎である。腎組織所見は多彩であり、腎予後も良好なものから末期腎不全に至るまで多岐にわたる。その病因はいまだに不明だが、多量体IgA1やIgA1-IgG免疫複合体がメサンギウム細胞増殖に関与し、IgA1ヒンジ部のO結合型糖鎖不全を呈した、いわゆる糖鎖異常IgA1が腎糸球体に沈着することが明らかとなった。本研究では、糖鎖異常IgA1および糖鎖異常IgA1-IgG免疫複合体による補体第二経路あるいはレクチン経路が活性化されることにより、腎組織障害が誘導されることを検討し、IgA腎症における腎糸球体障害の機序を検証する。
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研究成果の概要 |
IgA腎症の病態解明のため、糖鎖異常IgA1(Gd-IgA1)およびGd-IgA1 免疫複合体(IC)による腎組織障害のメカニズムを検討した。本研究により、Gd-IgA1 ICは糸球体内皮細胞に高い親和性を示し、その結果、糸球体内皮細胞が障害され、糸球体濾過バリア機能不全を引き起こし、メサンギウム領域へのIgA沈着および補体活性化が誘導されることが示唆された。さらに、Gd-IgA1 ICは、糸球体内皮細胞における接着因子や炎症性サイトカインの産生を促進した。Gd-IgA1 ICによる糸球体内皮細胞障害がIgA腎症の病態に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IgA腎症は世界で最も頻度が高い原発性糸球体腎炎であるが、IgA腎症の原因となる免疫系の異常が特定されておらず、有効な治療法が確立されていない予後不良な疾患である。その病態には糖鎖異常IgA1(Gd-IgA1)とその免疫複合体(IC)が深く関与することが示唆されている。本研究では、Gd-IgA1 ICによって糸球体内皮細胞障害、補体活性化が誘導され、腎炎が増悪することが示唆された。IgA腎症の病態が解明されることにより、新たなIgA腎症治療法の開発が期待される。
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