研究課題/領域番号 |
20K17293
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
狩野 俊樹 順天堂大学, 医学部, 助教 (00866733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | IgA腎症 / 粘膜免疫応答異常 / 糖鎖異常IgA / 上気道関連リンパ組織 / 腸管関連リンパ組織 / 無菌環境 / 糖鎖異常IgA1 / Toll like receptors |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、IgA腎症の病態における、糖鎖異常IgA1の産生機序やその責任部位を解明することを目的とする。本邦においては扁摘パルスの効果から、扁桃を中心とした病態が考えられているが、欧州においては一般的ではない。その一方で、欧州を中心に腸管選択的ステロイドの開発が進められているが、その機序については不明である。IgA腎症において、外来抗原を介する粘膜免疫応答異常の機序や責任部位が解明できれば、ターゲットを絞った副作用の少ない治療法の確立につながり、IgA腎症による透析導入を減らすことができると考えられる。
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研究成果の概要 |
IgA 腎症の病態には糖鎖異常IgA1とその免疫複合体が深く関与しており、上気道あるいは消化管感染により増悪することから、外来抗原を介した粘膜免疫応答異常が考えられる。 本研究では、IgA腎症モデルマウスを無菌環境で飼育することにより、腎糸球体へのIgAの沈着が抑えられた一方で、通常の環境に移行することにより、IgA腎症の再構築が可能であったことから、IgA腎症の発症には外来抗原が必要であることを証明した。さらには、上気道あるいは消化管から産生されるIgAの比較検討を行うことで、糖鎖異常IgAの産生系は、上気道関連リンパ組織における自然免疫系の活性化が深く関わっていると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IgA 腎症は原発性糸球体腎炎のなかで最も頻度が高いが、有効な治療法が確立されておらず予後不良である。上気道あるいは消化管感染により増悪することから、外来抗原を介した粘膜免疫応答異常が考えられる。また、本邦を中心にIgA 腎症に対する扁桃摘出の効果が報告されている一方で、欧州では腸管選択的ステロイドのIgA 腎症に対する有効性が報告され、IgA 腎症の粘膜免疫応答異常の主座は分かっていない。 本研究は上気道関連リンパ組織(NALT)が主座である可能性を示するものであり、NALTをターゲットに据えた副作用の少ない治療法が確立できれば、IgA腎症による透析導入を減らすことができると考えられる。
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