研究課題/領域番号 |
20K17307
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久保田 典子 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10844847)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 移植片対宿主病 / ランゲルハンス細胞 / CD8 T細胞 / PD-L1 / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
血液幹細胞移植後合併症である移植片対宿主病(GVHD)の皮疹は、CD8 T細胞誘導性と考えられている。一方、表皮内に存在する抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞(LC)は、炎症性皮膚疾患において、免疫賦活化あるいは抑制に機能するとの相反する報告があり、未だ明確ではない。また、GVHDにおいて、LCは皮膚炎の成立と共に表皮内から消失することが知られている。本研究ではランゲリンプロモーター下にジフテリア毒素(DT)受容体が導入されており、DTの投与でLCを除去することが可能なトランスジェニックマウスを用いて、免疫反応GVHDにおける皮膚でのLCの免疫学的機能と、LC消失という現象の意義を解明する。
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研究成果の概要 |
急性移植片対宿主病(aGVHD)は、ドナーリンパ球がレシピエント組織上の腫瘍組織適合抗原を異物と認識し発症する血液幹細胞移植後合併症で、その皮疹はCD8 T細胞誘導性と考えられている。我々はジフテリア毒素の投与でランゲルハンス細胞(LC)を除去できるマウス(Langerin-DTR Tg)を用いて実験を行った。このマウスのLCを除去した後に放射線を照射し、同種異系マウスの骨髄細胞を移入すると、aGVHDの皮膚粘膜症状が悪化した。このLCの疾患抑制機能は、表皮特異的自己反応性CD8 T細胞の増殖抑制と、B7ファミリー分子(B7-H3、B7-H4)を介したアポトーシス誘導によることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表皮内に存在する抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞の、炎症性皮膚疾患における表皮内での機能は、報告により免疫賦活化もしくは抑制とされて相反しており、未だ明確ではない。一般的には、炎症性皮膚疾患において表皮内LCは活性化し増殖するが、GVHDにおいては、皮膚炎の成立と共に表皮内からLCが消失することが知られている。本研究で、LCが免疫反応へ抑制的に作用したことを明らかにし、さらにその機序を解明し、皮膚GVHDにおけるLC消失が皮膚症状をさらに悪化させていることを明らかにした。
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