研究課題/領域番号 |
20K17328
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
木下 美咲 杏林大学, 医学部, 学内講師 (40594594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 円形脱毛症 / トリコスコピー / ステロイドパルス療法 / 超音波 / 免疫学的解析 / 超高周波超音波 / 3D画像 / 病理組織 / 画像診断 / 免疫 / 予後 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、積極的な全身療法が必要となるような重症の円形脱毛症患者を対象とし、受診時もしくは治療早期の段階で、今後の病勢の推移や治療への反応性を予測することで、適切なタイミングでの治療の開始や切り替えに役立てることのできる評価システムを構築することを目指す。具体的には、採血検査や皮膚生検、画像診断などから得られた様々な情報を解析し、それぞれがどのように関連するかを検証した上で、診断のために重要と判断された因子を抽出し、それらの組み合わせによるスコアリングシステムを作成する。これを用いることで、患者の個々の状態に即した治療を可能となる。
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研究実績の概要 |
2023年度は主に取得した画像の解析を継続した。ひろく皮膚科学用途での微細構造描出のため共同研究開発中の3Dエコーを利用し、2022年度までに行った円形脱毛症患者の画像で、いくつかの特徴的所見を検出することに成功したため、2023年度はこれらの所見が予後と関連するかについて解析した。具体的には、毛包漏斗部における逆三角状の低エコー領域(inverse triangular hypoechogenicity: ITH)、毛包峡部での卵円形高エコー領域(hyperechogenic ovoid structures; HOSs)、脂肪織内の毛包周囲高エコー領域 (perifollicular hyperechogenicity in subcutis: PHS)について、所見が得られた時点から3か月後の臨床像の改善をもとに、予後良好群・不良群に分け、それぞれの所見の有無と発毛の有無の関連を解析した。結果、慢性期円形脱毛症患者で高頻度に観察されていたHOSsについて、同じ慢性期においても所見を有する患者は有さない患者に比して有意に予後不良となる確率が高くなることが判明した。また、ITHを有する患者は有さない患者にに比して予後良好となる確率が高かった。これらの結果から、トリコスコピーを代表とする既存の画像技術ではとらえられないエコー所見の検出により治療反応性を事前に予測できる可能性があることが示唆された。 またステロイドパルス療法を施行した急性期の重症円形脱毛症患者について、これらエコー画像所見を参考に、治療反応群と不良群に分けて治療前、治療後のT細胞プロファイルデータを解析したところ、治療反応性と関連するCD8+T細胞サブセットの同定につながった。
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