研究課題/領域番号 |
20K17363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
山口 礼門 金沢医科大学, 医学部, 助教 (50836533)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Peroxiredoxin4 / 創傷治癒 / 酸化ストレス / 線維芽細胞 / 加齢 |
研究開始時の研究の概要 |
ペルオキシレドキシン(PRDX)4は抗酸化作用を有する一酵素群であり、数種類の癌や動脈硬化、糖尿病などに対する防御的役割が報告されている。創傷治癒における酸化ストレスの過剰な蓄積は治癒を阻害する因子の一つである。我々はこれまでにPRDX4が創傷治癒を促進する可能性があることを見出したが、その機序に関してはまだ検討していない。今回我々は抗酸化が創傷治癒を促進する分子メカニズムについて検討し、抗酸化酵素PRDX4の治療応用を模索する。
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研究成果の概要 |
酸化ストレスの過剰な蓄積は、高齢者の創傷治癒遅延の一因である。これまでに我々は抗酸化酵素PRDX4が持つ抗炎症作用および抗アポトーシス作用に着目し、メタボリックシンドロームを中心とした病態形成の一機序を解明してきた。今回我々は独自に作製したヒトPRDX4のトランスジェニックおよびノックアウトマウスを用い、PRDX4が特に酸化ストレス負荷の高い高齢マウスの創傷治癒遅延を改善することを示した。本酵素が高齢者の難治性皮膚潰瘍の治療に応用されることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、我が国は超高齢化社会を迎え、高齢者の褥瘡が急増している。加齢に伴い創傷治癒の遅延が起きることは古くから良く知られており、この原因には、老化に伴う皮膚線維芽細胞の機能低下が潜在する。また高齢者は糖尿病や動脈硬化などの基礎疾患を有することが多く、微小循環障害などにより創傷部に酸化ストレスが蓄積しやすいために、さらに組織修復が阻害されるものと推測される。本研究では、抗酸化酵素ペルオキシレドキシン4(PRDX4)が高齢マウスの創傷治癒遅延を劇的に改善することを示し、その一機序を解明した。本研究は高齢者の難治性皮膚潰瘍に対する新規治療法の開発に繋がると考えられる。
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