研究課題/領域番号 |
20K17379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中井 りつこ 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (90836420)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 新規遺伝子 / 造血 / 血球分化障害 / 核内遺伝子 / 変異胚性幹細胞株 / RNAスプライシング / 分化障害 / Ahed |
研究開始時の研究の概要 |
造血の発生では多くの遺伝子が精密に制御されていることが分かっているが、今なお、未発見の重要分子も多数残っていると推測される。本研究では、我々が独自の手法によって作製したマウスホモ変異ES細胞ライブラリーを用いて同定した、胚発生・血球分化に重要な新規遺伝子Ahedの分子メカニズムを詳細に明らかにすることによって、新たな視点からの白血病・造血器腫瘍に対する治療開発を展開することを目指す。
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研究成果の概要 |
マウスホモ変異ES細胞ライブラリを用いて、造血発生に重要な新規遺伝子を同定した。この遺伝子の血液細胞特異的欠損マウスを作製し解析したところ、胎生後期に貧血を呈し致死であった。胎生14.5日肝で赤芽球の減少を認め、造血幹/前駆細胞分画のコロニー形成能も著明に低下していた。この遺伝子の野生型マウスと血液細胞特異的欠損マウスの造血幹細胞分画を用いたRNA-Seqから、この遺伝子は、RNAスプライシングの異常を介して、造血幹細胞における血球分化に関与していることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
造血器腫瘍の治療成績は直近20年でも大きな改善は見られず、特に高齢者における長期生存割合は未だ低い割合にとどまっている。この現実を踏まえ、正常造血の制御機構の解明を通して、造血器腫瘍に関わる未知の分子を同定し、その制御を介した新たな治療戦略の開発が必須であると考え、本研究に取り組んだ。 本研究で同定した新規遺伝子の機能解析・分子機構については、ヒトのオルソログである分子を含めても、これまで世界的に全く解析されておらず、研究代表者らが主導的に研究を進める必要がある。今回の研究成果を踏まえ、今後、この新規遺伝子の制御を介した新たな造血器腫瘍制御の治療開発を目指す。
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