研究課題/領域番号 |
20K17419
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
武藤 智之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (10868235)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 高安動脈炎 / プロテインC受容体 / 大型血管炎 / 抗血管内皮細胞抗体 / 自己抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
EPCR、SR-BIの2つの膜蛋白に共通する機能が血管内皮細胞、T細胞やマクロファージなどを含む免疫担当細胞における抗炎症作用であり、TAK患者に認められる、これらを標的抗原とするAECAは、それぞれのリガンドとの結合を阻害することで、その抗炎症作用をブロックし炎症を持続させ得ることを、これまでの実験で示してきた。本研究ではEPCRとSR-BIでの抗炎症作用を惹起するシグナル伝達において、AECAがどの経路を阻害することで、内皮細胞の活性化・免疫担当細胞の分化や活性化に寄与するのか解明することを目的としている。
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研究実績の概要 |
抗EPCR抗体と抗SR-BI抗体は、ラット骨髄腫細胞にそれぞれの蛋白を強制発現させ、その強制発現細胞に対する結合能をフローサイトメトリーにより測定している。細胞を用いた測定であるため、汎用性に欠ける点が欠点となり、当研究室以外での測定ができていない。そのため、Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay (ELISA)での自己抗体測定系の作成を試行した。発現ベクターを強制発現させたHEK293T細胞に対して、プロトタイプ自己抗体が反応する事を確認した後、発現ベクターを用いてリコンビナント蛋白を作成し、プレートに固相化するdirect ELISAをまず作成した。しかしプロトタイプ血清によるdirect ELISAへの抗体価依存性の反応は認めなかった。続いて、まずプレートに抗体を固相化し、リコンビナント蛋白を添加し、反応性を検出するcapture ELISAを作成したが、同様に抗体価依存性の反応を認めることができなかった。そのため、リコンビナント蛋白を用いて、タグでプレートに接着させ測定する液性の系を試行するもリコンビナント蛋白では検出が困難となる事から、リコンビナント蛋白精製の過程で抗原性が失われている可能性が考慮された。現在は、ルシフェラーゼ免疫システム(LIPS)法を用いて抗体測定を行う事ができないかを検討している。まず、自己抗原にルシフェラーゼを結合させたベクターを作成し、HEK293T細胞に発現させ、自己抗原の発現とルシフェラーゼ活性を確認した。続いて、プロトタイプ自己抗体の反応性も確認した。しかし、TritonXでの蛋白抽出により、抗体の反応性が失われることが分かり、細胞外ドメインのみを発現させることで反応性を有する抗原を獲得できないか検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗EPCR抗体と抗SR-BI抗体につき、現在行っているcell-based assayを、汎用性のあるプレート系あるいは液性検出システムに代替できないか検討しているが難航している。
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今後の研究の推進方策 |
細胞表面に自己抗原を強制発現させた細胞を用いた系では、自己抗原反応性を認めるが、組み換え蛋白を精製するとその抗原性が失われることが判明した。蛋白の修飾、あるいは蛋白に結合する分子との複合体に対する反応性が考慮されるため、細胞膜表面に発現する蛋白配列のみにルシフェラーゼを結合した蛋白を作成する事で、ルシフェラーゼ活性を応用した液性検出系の作成を予定している。
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