研究課題/領域番号 |
20K17424
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藏島 乾 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (00632506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ループス腎炎 / 管内細胞増多病変 / ワイヤーループ病変 / ケモカイン / ケモカイン受容体 / マクロファージ / 管内増殖性病変 |
研究開始時の研究の概要 |
ループス腎炎の代表的な病変である管内増殖性病変やワイヤーループ病変を形成する病態は不明である。各病変において、ケモカイン・ケモカイン受容体の寄与による病態の違いや、治療ターゲットとしての有効性を明らかにすることを目的とする。各病変を単独で形成するモデルを作成し、ケモカイン欠損マウスでケモカインの各病変に与える影響、骨髄移植で骨髄由来細胞の影響をそれぞれ評価する。本研究により個々のヒトループス腎炎例において病態ごとに最適な治療法を選択する個別化医療につながる。
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研究成果の概要 |
ループス腎炎モデルであるMRL/lprマウス由来の腎炎原性モノクローナルIgG3産生ハイブリドーマを野生型マウスに投与し、管内細胞増多病変とワイヤーループ病変を個別に形成した。前者は後者よりCCL2、CCL3、CCR2、CCR5、CX3CR1の発現が亢進し、糸球体に浸潤したマクロファージが主にこれらを発現していた。このハイブリドーマと、ケモカイン受容体欠損マウスや選択的CCR5阻害薬のマラビロクを用いて、CCR5とCCR2が管内細胞増多病変の形成に関与し、特にCCR5が管内細胞増多病変の治療ターゲットとなりうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ループス腎炎において糸球体管内細胞増多病変とワイヤーループ病変は代表的な腎病理学的病変である。既存のモデルではこれらの病変は同時に出現するため、各病変を形成する各々の病態は十分検討されていなかった。本研究では、各病変を個別に再現するモデルを用いて、各病変におけるケモカイン受容体の関与と、その治療ターゲットとしての有効性を明らかにした。本研究により、日常診療で得られるヒトループス腎炎の腎病理所見をもとに病態を判定し、ステロイド治療に代わる、病態に応じた最適の治療法を選択する個別化医療につながりうる。
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