研究課題/領域番号 |
20K17447
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
三浦 陽子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (60563517)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 骨性強直 / 滑膜線維芽細胞 / パンヌス / 軟骨内骨化 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチは、多関節における炎症を指し、組織学的にパンヌスの形成および骨破壊がみられる。炎症終焉後は骨性強直を示すが、パンヌス形成から骨破壊に至る過程には不明点が多い。我々は関節炎モデルを用いて、パンヌスの滑膜線維芽細胞には3種類の骨分化に関わる細胞集団が存在することを見出した。本研究では、1) 滑膜線維芽細胞が発現する特徴的なRNA・タンパク質を同定し、2) 軟骨細胞、骨細胞へと分化するメカニズムを解明する。本研究成果により、関節リウマチ、変形性関節症等の異所的な骨形成制御を利用した治療法へと結び付けることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、関節炎後に生じる異所的な骨形成のメカニズムの解明を目的とし、関節炎モデル由来の滑膜線維芽細胞を単離し、検討を進めた。Flow cytometerで滑膜線維芽細胞をCD146とCD140aで展開し、CD146high陽性集団、CD146mid陽性集団、CD140a陽性集団、すべて陰性の4種類の集団を採取し、qPCRおよびRNAseqを行った。qPCRにより、CD146mid集団は他の集団と比べてCol10a1、Runx2、Sox9の遺伝子発現が上昇した。このため、CD146mid集団が組織像で確認していた最も肥大化軟骨細胞様の表現型を示すパンヌスの線維芽細胞である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、関節リウマチや変形性関節症を含む関節疾患は、関節局所でのパンヌスの形成や骨破壊等が知られ、炎症終焉時には異所的な骨性強直 (骨過形成) を生じるが、パンヌス形成から骨破壊に至る過程には不明点が多かった。本研究では、関節炎モデル由来パンヌスの滑膜線維芽細胞を用いて、骨分化状況下にある細胞集団を同定した。関節リウマチでは免疫を主体とした研究が主に行われてきたが、本研究の成果は関節リウマチ研究の新たな学術的領域に貢献したと考えられる。また、CD146陽性集団を治療ターゲットとした炎症時からの治療介入は、その後生じる骨性強直を抑制できると予想され、社会的意義も大きい。
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