研究課題/領域番号 |
20K17450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54020:膠原病およびアレルギー内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
近藤 泰 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50626380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 滑膜 / 滑膜生検 / マスサイトメトリー / 治療抵抗性関節リウマチ / 多層オミックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)治療は、生物学的製剤の登場により寛解が現実的な目標となる時代となったが、多剤を用いても疾患活動性の持続する治療抵抗性RA(Difficult to treat RA;DTRA)が未だに10-15%ほど存在している。申請者らは超音波ガイド下関節滑膜生検法を確立し、簡便、安全に主病変である関節滑膜を採取することが可能になった。そこで、これまで取り組んできたトランスクリプトーム解析に加え、CyTOFシステムを用いたマスサイトメトリー、滑膜の単一細胞のRNAシーケンシングなどの解析手法を統合し、治療抵抗性RAの詳細な病態解析を行い、治療アルゴリズムを新たに確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
最終的に4年間で治療抵抗性RA 6例に加え、典型的なRA3例(予定では10例、定義:未治療、抗CCP抗体陽性例)をコントロール群とし、その他の関節炎合わせて、計18名程度をリクルートし、超音波ガイド下滑膜生検法により新鮮な滑膜を採取し、一般的な病理学的解析、免疫組織学的解析に加え、解析途中ではあるがCyTOFシステムを用いたマスサイトメトリーによる詳細な細胞サブセット解析、シングルセルのRNAシーケンシングによる遺伝子発現の網羅的解析を行った、現時点では解析の途中段階であるものの、治療抵抗性関節リウマチ患者や、高齢発症関節リウマチの症例に特徴的な滑膜浸潤細胞サブセットが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では超音波ガイド下低滑膜生検法を用いることで、ヒト関節リウマチの病変滑膜を直接採取することが特徴の1つであった。採取した滑膜組織は、手術による生検組織に比べて、十分な組織量が採取できないことが問題点であったが、実際に今回得られた滑膜からフローサイトメトリー、CyTOFシステムを用いたマスサイトメトリーや、単一細胞(シングルセル)解析を行い、疾患特異的な新規細胞集団と考えられる分画が見いだせた点が本研究の学術的意義であったと考えられる。今後、治療抵抗性RAに対する薬剤反応性や副作用などの予後予測への応用が期待され、個別化医療の実現に繋がる端緒となりうることが社会的意義と考える。
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