研究課題/領域番号 |
20K17461
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 秀輝 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90799082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | インフルエンザ / C型レクチン受容体 / 自然免疫受容体 / アジュバント |
研究開始時の研究の概要 |
現行のインフルエンザワクチンは、機能的な防御抗体産生に必要な自然免疫誘導能が低いという課題を抱えている。この課題解決のために、近年はワクチンアジュバント(免疫賦活剤)として、Toll様受容体などの自然免疫受容体を基盤としたアジュバントが開発されている。本研究ではインフルエンザワクチンにおける新規アジュバント開発を目指し、糖鎖を認識する自然免疫受容体であるC型レクチン受容体に焦点を当てる。中でも高マンノース構造を認識する受容体であるDectin-2に着目し、ウイルスヘマグルチニンによる抗体産生機序およびインフルエンザ病態制御におけるDectin-2の機能について解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではC型レクチン受容体がインフルエンザウイルス主要抗原であるヘマグルチニン(HA)により開始される炎症応答にどう関与するかについて検討した。マウスおよびヒトDectin-2はHAと結合し、特にA/H3N2亜型由来HAと高い結合性を示した。また、HA投与による血清抗体価はA/H3N2亜型由来HA投与によりDectin-2遺伝子欠損マウスにおけるIgG産生が野生型マウスと比較して有意に増加した。以上から、Dectin-2はHAを認識し、さらにHA特異的抗体産生に影響を及ぼす何らかの機序に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、Dectin-2遺伝子欠損下ではインフルエンザウイルスHA投与による抗体産生応答が増強される結果が得られた。これはDectin-2がHA特異的抗体産生を抑制するメカニズムが存在する可能性が示唆され、従来知られている機序とは異なる宿主免疫応答が関与していることが予想される。今後、さらに詳細な細胞動態や分子間相互作用が明らかになれば、Dectin-2を標的としたインフルエンザ予防戦略構築へ応用可能であり、社会的意義が非常に大きい。
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