研究課題/領域番号 |
20K17462
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 伸英 金沢大学, 医学系, 助教 (30712799)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ボツリヌス菌 / 膜小胞 / membrane vesicle / クロストリジウム属 / メンブレンベシクル / Clostridium botulinum / Clostridium sporogenes / Clostridium scindens / 自然免疫 / ボツリヌス毒素 / 粘膜免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ボツリヌス菌は強力な神経毒素であるボツリヌス毒素を産生するが、毒素複合体以外の菌体成分が病態に及ぼす影響は全く明らかになっていない。一方、申請者は先行研究においてボツリヌス菌が分泌する細胞外膜小胞が宿主細胞に対する炎症誘導能を有することを見出している。本研究では、ボツリヌス菌が産生する膜小胞がボツリヌス症に及ぼす影響について、マウスに対する投与モデルや培養細胞を用いた詳細な機能解析によって明らかにする。
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研究成果の概要 |
細菌の分泌する膜小胞(MV)は宿主に様々な影響を及ぼす。本研究ではボツリヌス菌C. botulinumおよび近縁のC. sporogenes、共生細菌であるC. scindensからMVを単離し、哺乳類細胞への影響を解析した。これらクロストリジウム属由来MVはいずれも、MyD88/TRIF、TLR1/2/4、dynaminおよびPI3K依存的に自然免疫応答を誘導した。個々のMVに対する応答性は細胞株の種類によって大きく異なっており、菌種・菌株による強弱の傾向は見られなかった。また、MVの細胞内取り込みはアクチン重合阻害により抑制されたが、MVの取り込み阻害はサイトカイン誘導を抑制しなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ボツリヌス菌の毒素以外の菌体成分が宿主に及ぼす影響は不明であったが、本研究により初めてボツリヌス菌由来MVが自然免疫応答を誘導することを明らかにした。また、複数のクロストリジウム属菌株由来のMVに対する自然免疫応答に共通して重要な受容体および下流のシグナル因子を明らかにした。細菌MVはグラム陰性菌でよく研究されているが、グラム陽性菌、特に嫌気性で扱いにくいクロストリジウム属菌のMVの研究は少なく、本研究で得られた複数のクロストリジウム属菌由来のMVを比較解析した結果は、今後のMV研究およびクロストリジウム属菌研究における基盤的知見となり得る。
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