研究課題/領域番号 |
20K17481
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀田 啓 北海道大学, 大学病院, 助教 (20826127)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クッシング病 / ACTH / ニューロメジンB受容体 / 下垂体腫瘍 / 副腎皮質刺激ホルモン / ニューロメジンB |
研究開始時の研究の概要 |
クッシング病は下垂体副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生下垂体腺腫を原因とする難治性疾患である。中心性肥満などの外見上の変化、高血圧、高血糖、骨粗しょう症などの代謝異常、易感染性など多彩な症状を呈し、感染症から死に至ることもまれではない。効果的な治療薬が少なく症状に苦しむ患者は多い。申請者らは神経ペプチドの一種であるニューロメジンBがクッシング病の下垂体腺腫においてホルモンの産生ならびに腫瘍の増殖に関連している可能性を考え、本研究ではニューロメジンBの働きを抑える薬剤を用いて研究を行う。本研究からクッシング病の新規薬剤を見つけ出し、クッシング病患者の生活の質を向上させることが目的である。
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研究成果の概要 |
本研究では、マウスACTH産生細胞株であるAtT-20細胞を用いた検討でニューロメジンB受容体拮抗薬PD168368の投与によりACTH産生ならびに腫瘍増殖がいずれも抑制され、さらにサイクリンEの遺伝子発現も抑制を認めた。AtT-20を胸腺無形成マウスの皮下に投与したマウスへのPD168368の投与により血中ACTH、コルチコステロンの低下を認め、生体への投与についても効果を発揮する可能性が示された。ヒトACTH下垂体腺腫細胞では半数の症例でPD168368の投与によりACTH分泌低下を認めた。以上から本検討によりニューロメジンB受容体拮抗薬がクッシング病の新規治療薬となる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究からニューロメジンB受容体がクッシング病の新規治療ターゲットとなりうること、経路として細胞周期関連蛋白、特にサイクリンEの抑制を介することが初めて示された。クッシング病では手術で寛解に至らない場合の薬物治療薬の選択肢が限られており、ニューロメジンB受容体拮抗薬が将来的にクッシング病の新規治療薬として開発を進めることで、クッシング病患者のQOLの改善に貢献できる可能性がある。
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