研究課題/領域番号 |
20K17500
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
遠藤 翔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (20772354)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 間欠絶食 / 肥満 / 糖尿病 / 耐糖能 / 運動耐容能 / ヒストンアセチル化 / 脂肪燃焼 / ミトコンドリア / 代謝変容 / ミトコンドリア活性化 / 代謝エピゲノム連関 / メタボローム解析 / エピゲノム変容 |
研究開始時の研究の概要 |
近年, 摂取カロリーの制限を伴わずして肥満・耐糖能の改善が期待できる食事療法として完結絶食が注目されている. 本研究では72時間間欠絶食後の長期に及ぶ代謝改善効果の解明のため, ミトコンドリア活性化ならびに脂肪燃焼促進に関与する遺伝子のエピゲノムに着目した検討を行う. 栄養状態による代謝産物の変動がヒストンアセチル化を制御し, 遺伝子発現を変化させることに着目して72時間間欠絶食後の臓器における代謝変容をメタボロームにて解析し, 間欠絶食に伴う代謝変容が, 筋肉や脂肪組織のエピゲノムを制御することでミトコンドリアを活性化して脂肪燃焼を促進する, との仮説を検証する.
|
研究成果の概要 |
間欠的絶食(IF)が中止後に長期にわたる効果を発揮するメカニズムを解析するために, 72時間絶食と96時間の給餌(72hIF)を1週間1サイクルとして, マウスに4サイクルの間欠絶食を施行した. 骨格筋において脂質代謝に関与する遺伝子のプロモータ領域におけるヒストンのアセチル化に焦点をあて, 遺伝子発現を解析した. 72hIFは, 筋肉における脂質利用の促進とミトコンドリア活性化を特徴とする代謝リモデリングをもたらした. 脂質燃焼に関与する遺伝子のプロモータ領域におけるヒストンアセチル化の持続的な促進が, IFの持続的な代謝効果に寄与すると示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果は, 間欠絶食中止後も持続する代謝効果のメカニズムを示しており, 肥満糖尿病患者での長期減量効果やインスリン抵抗性の改善に応用できる可能性がある. すなわち、間欠絶食にて脂肪燃焼遺伝子群のヒストンアセチル化に長期の変化が生じることは, 遺伝子発現の変化ならびに減量・インスリン抵抗性改善効果が長期にわたり持続する可能性を示唆する. マウスによる本研究成果の, 肥満糖尿病患者への応用可能性につき, 今後の研究を展開できれば幸いである.
|