研究課題/領域番号 |
20K17503
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野本 博司 北海道大学, 大学病院, 助教 (50862330)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病 / 膵β細胞 / 細胞内代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまで、糖尿病状態下の膵β細胞ではミトコンドリアの機能障害を背景としたHIF1α/PFKFB3経路の活性化に伴い、細胞内代謝が解糖系へとシフトすることを示してきた。本研究テーマにおける学術的「問い」は、具体的にどのような代謝ストレスや外的要因がこのような変化を生じさせるのか、さらには糖尿病への治療介入がこの細胞内代謝異常を是正しうるのかという点である。 これらの問題点に対し、マウスや細胞株、単離膵島の実験系を用いて検討を行う。並行して、日本人糖尿病膵β細胞における代謝変化の有無についても検討を行っていく。
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研究成果の概要 |
申請者らは糖尿病状態において、膵β細胞の細胞内エネルギー代謝が酸化的リン酸化から解糖系へとシフトするという細胞内代謝変化に着目し、その機序として膵島における解糖系酵素PFKFB3の発現亢進が重要であることを明らかとしてきた。 本申請課題において、日本人2型糖尿病患者の膵β細胞においてもPFKFB3が種々の程度に発現していることを明らかとし、病態との関連も示した。さらに肥満糖尿病モデル動物や膵β細胞株を用いて、この細胞内代謝変化に可逆性があり、糖尿病治療の内容により異なる影響を与えることを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請課題により、日本人の2型糖尿病患者において膵β細胞の細胞内代謝異常と密接に関連するPFKFB3の発現が亢進していることが明らかとなった。患者背景や背景膵の組織像がこのPFKFB3の発現に関連し、さらに種々の糖尿病病態への介入が更新したPFKFB3の発現を改善させることが明確となった。今後は糖尿病病態下で発現が増強しているPFKFB3の意義の解明や、直接の治療標的となりうるかの検討を行うことが必要である。
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