研究課題/領域番号 |
20K17508
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 一郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (20844715)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 甲状腺機能亢進症 / モデルマウス / TSH / トランスクリプトーム解析 / チアマゾール / 抗甲状腺薬 / バセドウ病 / トランスクリプトーム / 甲状腺刺激ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺機能亢進症はバセドウ病に代表されるように、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体 が刺激され、甲状腺におけるホルモン合成が促進する。本研究では新規治療薬開発のため、我々が新たに開発したTSH過剰発現による甲状腺機能亢進症モデルマウスを用いて検討を行う。具体的には、TSH過剰発現や抗甲状腺薬投与など種々の処置を行ったマウスの甲状腺を摘出し、その網羅的解析により治療の標的となりうる分子を探索する。
|
研究成果の概要 |
甲状腺機能亢進症の新規治療創出に向けて、我々が開発した甲状腺機能亢進症モデルマウスの解析を行った。具体的には、長らく不明であった第一選択薬である抗甲状腺薬チアマゾールの作用点の同定を目指し、このモデルマウスへ抗甲状腺薬を投与し、採取した甲状腺についてRNA-seqを用いた遺伝子発現に関する網羅的解析を行った。チアマゾールによる遺伝子発現変化は乏しく、既報により示されている甲状腺ペルオキシダーゼ活性の抑制が主な作用であることが示唆された。一方でコントロールマウスとモデルマウスの結果を比較することにより、甲状腺機能亢進症のメカニズムの理解に貢献するデータを得ることができた(論文投稿準備中)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
バセドウ病に代表される甲状腺機能亢進症は頻度の高い疾患であるが、治療は抗甲状腺薬に代表される薬物療法を中心として数十年にわたり大きな変化がない。さらにはこの第一選択となっている抗甲状腺薬ですら、無顆粒球症などの重篤な副作用や治療抵抗性といった多くの問題を抱えている。求められてきた甲状腺機能亢進症の新たな治療薬のシーズを得るために、独自に開発したモデルマウスを用いてこの領域において初となる網羅的解析を実施しえた。治療標的候補となる分子を複数同定することができ、今後の創薬研究に貢献する成果であり、また甲状腺機能亢進症のメカニズムを理解する上で学術的に重要な示唆を与えるデータセットも得た。
|