研究課題/領域番号 |
20K17522
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高野 智圭 日本大学, 医学部, 助教 (50845310)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 羊膜上皮細胞 / 多能性幹細胞 / 先天性代謝異常症 / 上皮間葉転換 / TGF-β経路 / ヒト羊膜上皮細胞 / TGF-β / SB-431542 / 先天代謝異常症 / 細胞治療 / 胎盤 |
研究開始時の研究の概要 |
先天代謝異常症とは、生まれながらに特定の酵素などが欠損し、生体内の物質代謝障害を来たす疾患群である。標準治療である食事療法の効果は必ずしも十分ではなく、根本的治療として行われる肝移植の侵襲は大きい。新規治療として申請者らは、胎盤を覆う羊膜から分離できる多能性幹細胞である「羊膜上皮細胞」を用いた細胞移植療法に着目してきた。本研究では、羊膜上皮細胞が最も高い分化能を発揮できるような初期培養条件を見つけ出し、細胞の多能性に関わるシグナリング機構の解明を目指す。分子機構の解明に基いた細胞調整プロトコルの最適化が、肝移植の新規代替治療の開発に繋がる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究で我々は、胎盤から分離したヒト羊膜上皮細胞(human amniotic epithelial cells: hAEC)がin vitroで培養を始めると直ちにTGF-β依存性の上皮間葉転換(EMT)を起こすことを示した。また、網羅的トランスクリプトーム解析および細胞表面糖鎖解析等を用いて、TGF-β依存性EMTの阻害によりhAECの多能性が保持されることを初めて報告した。さらに多能性の維持は細胞の非腫瘍形成性に影響を与えず、hAECは臨床応用に適した安全性の高い細胞であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天性代謝異常症とは、生まれながらに特定の酵素などが欠損し、生体内の物質代謝障害を来たす疾患群である。時に根本的治療として行われる肝移植の侵襲は大きい。我々はこれに替わる新規治療として、ヒト羊膜上皮細胞を用いた細胞移植治療の開発を目指している。本研究で得られた、細胞の多能性制御に関わる分子機構の知見は、細胞調整プロトコルの最適化に繋がり、将来的には先天性代謝異常症の新規治療開発に寄与するものと考える。
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