研究課題/領域番号 |
20K17538
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
津山 友徳 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特任助教 (10845960)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 低酸素 / 糖尿病 / 膵β細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
膵β細胞は血糖降下作用をもつホルモンであるインスリンを分泌し、全身性の血糖値を維持する働きを担っている。我々は糖尿病状態の膵β細胞では細胞内が酸素不足(低酸素)状態に陥っており、低酸素ストレス下の膵β細胞では増殖や生存、インスリン分泌機能が障害されていることを明らかにしてきた。さらに最近、膵β細胞の低酸素環境に対する重要な適応応答候補因子としてPHD3遺伝子を新たに見出した。本研究では膵β細胞におけるPHD3が、低酸素ストレスに対する適応応答において果たしている役割や糖尿病病態に対する関与について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究課題ではβ細胞の低酸素誘導因子として新たに見出したProlyl-hydroxylase 3 (PHD3)について以下の点を明らかにした。(1)2型糖尿病モデル(ob/ob)マウスのβ細胞では低酸素に陥っていることに対応してPhd3の遺伝子発現が亢進していることが判明した。(2) ob/obマウスにおいてβ細胞特異的にPhd3遺伝子を欠損したモデルマウスを樹立した。(3) (2)のマウスでは通常のob/obマウスと比較して耐糖能が改善していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2型糖尿病の病態に膵β細胞における低酸素ストレスが関与している可能性が示唆されているが、その具体的なメカニズムは知られていない。本研究ではβ細胞における低酸素応答因子であるPHD3が糖尿病病態において血糖値に影響を及ぼす重要な因子であることを明らかにした。今後PHD3の機能の詳細を明らかにしていくことで、2型糖尿病の病態解明や新たな治療戦略の開発につながることが期待できる。
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