研究課題/領域番号 |
20K17576
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
文田 貴志 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60866995)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腸管神経 / 腸管免疫 / 好酸球 / ILC2 / neuromedinU / GATA / Hirschsprung病類縁疾患 / neuromedin U / 腸管神経形成異常症 / Ncx / IL5 / 腸内細菌 / 腸管神経増多 / Ncx KO |
研究開始時の研究の概要 |
近年、中枢神経と免疫の相互作用の報告が散見されるが腸管神経と腸管免疫の相互作用の報告は少ない。腸管神経増多を認めるNcx KOマウスは腸管上皮バリア機構の異常及びdysbiosisを認め、DSS腸炎に対して感受性が高い。一方小腸粘膜固有層における好酸球の増多、小腸組織におけるIL5増加を認めているが、定常状態では腸炎発症はなく免疫学的な代償機構による恒常性の維持、つまり腸管神経と腸管免疫の相互作用が考えられた。 本研究では、好酸球欠損、IL5欠損Ncx KOマウスなどを用いた解析から小腸におけるIL5産生・誘導機構と好酸球集積の生理的意義を明らかにし腸管神経と腸管免疫の相互作用の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
腸管神経と腸管免疫に着目し腸管神経増多を認めるNcx KOマウスの解析を行った。野生型と比較し遠位小腸粘膜固有層で好酸球が有意に増加しており、関連するサイトカインについて組織を用いてRT-qPCRを施行するとIL5neuromedinU(nmU)の有意な上昇を認めた。組織学的検討でもnmUの発現増強を認め、ILC2も増加していたことから腸管神経がnmUを介してILC2を動員し、そこからIL5が増加し好酸球が増加するという機序がNcxKOマウスで働いている可能性が示された。 また、好酸球欠損Ncx KOマウスは腸炎感受性の亢進を認めたことから好酸球が腸管保護的に働いていることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管神経異常を認める疾患は腸炎が重篤となる傾向にある。しかし自然状態で腸炎を発症している訳ではないため、そこに何かしらかの免疫学的代償機構が働いていると仮説を立て研究を行った。腸管神経増多を呈し腸管運動異常をきたすNcx遺伝子をノックアウトしたマウスは腸炎の感受性亢進を認めているおり、そのマウスを用いて研究を行うと小腸粘膜固有層で好酸球が増加しており、その好酸球を欠損させると腸炎の感受性がさらに亢進したことから好酸球が腸管保護的に働いている可能性を発見した。
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