研究課題/領域番号 |
20K17598
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東京大学 (2021-2023) 群馬県衛生環境研究所 (2020) |
研究代表者 |
高澤 慎也 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40421094)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 小児外科 / 手術シミュレーター / 腸管吻合 / 低出生体重児 / 手術手技評価 / トレーニング / 新生児 |
研究開始時の研究の概要 |
新生児の腸管吻合は、腸管径が細い上に口径差が大きいため手技が難しく、狭窄や縫合不全などの合併症が多く発生するが、有用な手術シミュレーターやトレーニング方法は研究されてこなかった。そこで、本研究では新生児腸管吻合のOff the job Trainingプログラムを開発する。新生児サイズの腸管モデルを新たに開発し、レギュラトリーサイエンスの考え方に基づき、その品質、有効性を科学的知見に基づいて評価し、既存の腸管モデルと比較を行う。また、開発したモデルを用いてトレーニングを行い、必要な練習量や、臨床現場における効果や負担を検証する。
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研究成果の概要 |
実際の腸管径を模した低出生体重児腸管吻合トレーニングモデルを開発した。13名の小児外科医に縫合手技を行ってもらい、妥当性評価を行った。アンケート調査ではウェット腸管の評価が高かった。また、ウェット腸管では、吻合部リーク圧が手術経験数と有意な相関を示し、構成概念妥当性が示された。次に、ウェット腸管を用いて若手小児外科医5名を対象にトレーニングを実施した。トレーニングの前後で、吻合後の平均リーク圧が、3.2 hpaから7.2 hpaに統計学的に有意に上昇した(p = 0.04)。以上より、本シミュレーターは構成概念妥当性が高く、実際に吻合手技を向上させることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児外科領域における手術シミュレーターの研究は複数あるが、実際のトレーニング効果を検証した研究はまだ少なく、本研究は先駆的な結果を示すことができた。今後はより被験者を増やして実臨床におけるトレーニング効果を検証する。吻合手技が向上することで、縫合不全や吻合部狭窄の発生頻度を減らすことが示されれば、本シミュレーターの普及により、多くの患児の治療予後を向上させることができる。
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