研究課題/領域番号 |
20K17692
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
西山 光郎 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (50714614)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 癌 / 胃癌 / 播種再発 / 癌幹細胞 / 腹膜播種 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌幹細胞を標的とした治療方法の開発による胃癌の播種再発抑制を目的とする。 我々独自の方法で胃癌細胞株から誘導したsphere形成細胞を用いて、抗がん剤耐性や上皮間葉系転換などの幹細胞性を明らかにし、次世代シークエンサーを用いたRNA sequenceでの網羅的解析により胃癌腹膜播種の分子機構を明らかにし、有効な治療ターゲットとなる遺伝子発現を同定することを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々独自のcancer stem-like sphere cell (CSLC) 誘導培地を用いて、胃がん細胞株からCSLCを誘導し、がん幹細胞マーカー発現、腹膜播種、抗がん剤耐性、遺伝子発現プロファイルについて検討を行った。ヒト胃がん細胞株MKN45よりがん幹細胞マーカーCD44v発現が上昇したCSLCが誘導され、このCSLCはマウスにおける腹膜播種頻度及び抗がん剤 (5-フルオロウラシル、イリノテカン) 耐性の増加を示した。さらに、既報の肝がんCSLCと同様に上皮間葉系移行や低酸素に関わる遺伝子セットのenrichや、自然免疫系からの逃避に関わるHLAやMICA/Bの発現上昇が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌実臨床上の大きな課題の一つに腹膜播種再発が挙げられる。播種再発の抑制は胃癌治療成績向上の重要な鍵といえる。我々は独自にがん幹細胞様細胞 (CSLC) を有しており、胃がん細胞株から誘導したCSLCは、腹膜播種頻度の増加だけでなく、抗がん剤耐性も上昇を示した。さらに、遺伝子発現プロファイルを検討したところ、転移過程において重要な自然免疫系からの逃避を示した肝がんCSLCと同様のプロファイルを有することが示唆された。本研究による胃がん腹膜播種機構に対する検討は、今後の胃がん予後の改善につながる学術的・社会的意義を有する成果が得られた。
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