研究課題/領域番号 |
20K17695
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
中嶋 正太郎 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (50723417)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 食道扁平上皮癌 / 放射線照射 / 腫瘍随伴マクロファージ / M2分極 / 免疫放射線療法 / 食堂扁平上皮癌 / 免疫チェックポイント分子 / CD163 / 食道癌 / 複合がん免疫療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、「免疫放射線療法におけるTAMの役割を解明すること」である。 本研究では、「放射線照射がヒトTAMのフェノタイプ、遺伝子発現、代謝等にどのような影響を与えるのか?」また「免疫チェックポイント阻害剤が放射線照射したTAMにどのような影響を与え、癌の進行に対してどのような効果を及ぼすのか?」という問いに対し、臨床検体およびin vitroの実験系を用い研究を遂行する。
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研究成果の概要 |
本研究では、食道扁平上皮癌(ESCC)において放射線照射が腫瘍随伴マクロファージ(TAM)のM2分極を促進する可能性を見出した。術前補助化学放射線療法前後のESCC組織におけるTAMマーカーCD163の陽性細胞数を解析したところ、治療によりCD163陽性細胞数が増加することが明らかとなった。また、ヒト末梢血単球から樹立したTAM様細胞に放射線照射を行うと、CD163および免疫チェックポイント関連分子(PD-L1、PD-L2)の発現レベルの増加が見られた。さらに、TAMだけでなくESCC細胞に放射線照射を行うとTAMのM2分極に関与するIL-34の産生誘導が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線治療は、ESCC治療の重要な柱の1つであり、近年では免疫チェックポイント阻害剤との併用療法が治療効果を促進する可能性が示唆されている。TAMは、腫瘍組織に浸潤する主要な免疫抑制性細胞であるが、照射線照射がTAMに及ぼす影響はあまり明らかにされていない。本研究の成果により、ESCCにおいて放射線照射がTAMのM2分極を促進することが明らかとなったことから、TAMのM2分極を抑制することが放射線療法や免疫放射線療法の治療効果を促進する新たな治療戦略に繋がる可能性がある。
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