研究課題/領域番号 |
20K17718
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
原田 剛佑 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60650322)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大動脈瘤 / 薬物療法 / 徐放性製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈瘤近傍に直接投与できる徐放製剤を新規に作製し、in vitroで効果を検証して作製条件を最適化する。さらに、マウス大動脈瘤モデルを用いて、生体におけるその有用性を実証する。本研究では大動脈瘤の初回手術と同時に局所投与ができ、長期間効果を発揮できる薬剤を開発することを目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術と薬物療法のハイブリッド治療法の開発に繋げるために、FAK阻害効果を有する徐放製剤を開発することを目的とした。生分解性ポリマーであるポリ乳酸・グリコール酸(PLGA)を基剤として、FAK阻害剤(PF573228)を含有するナノ粒子を作製した。培養マクロファージ実験系の結果から、FAK阻害剤含有PLGAナノ粒子は、FAK阻害剤単独に比べてFAK活性阻害効果が長期に持続した。限られた条件下ではあるが、ハイブリッド治療という新たなコンセプトの治療法により、大動脈瘤の炎症病態を抑制できる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、外科的治療のみでは制御困難な大動脈瘤に対して、世界初の外科的治療と薬物治療とのハイブリッド治療法の開発をめざすトランスレーショナルリサーチである。特にFAKは研究代表者が自ら発見した有望な分子標的であり、FAK阻害剤の徐放性製剤を用いる薬物療法と日常の血管外科診療で行っているステントグラフト内挿術手技とのハイブリッド治療システムが実臨床に応用されれば、大動脈瘤患者の予後とQOLの大幅な向上に繋がることが期待できる。
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